九州横断線乗車記録

私は日豊線を帰省に使っているのですが、今回はひょっとすると宮崎−大分間を往復するのは最後になるの

では?と思いせっかくですので、九州の横断線のうち都城から吉松を経由して八代に抜ける吉都線、肥薩線、

熊本から大分まで豊肥線を経由して帰省することにしました。なお今回の乗車経路は以下の通りです。

1日目

木花 8:10発→(日南線)→南宮崎 8:22着8:31発→(日豊線)→都城 9:28着9:37発→(吉都線)→吉松 11:04着11:18発→(肥薩線)→

人吉 12:18着12:20発→(肥薩線)→八代 13:31着13:52発→(鹿児島線)→熊本 14:26着14:31発→(豊肥線)→

肥後大津 15:08着15:13発→宮地 16:15着16:48発→豊後竹田 17:34着17:40発→大分 19:19着

6日目

大分 11:00発にちりんシーガイア5号→南宮崎 14:12着14:15発→木花

うーん。相変わらず惚れ惚れするような行程だ・・・(爆)

ちなみに切符は以下の通り。


なんと今回の切符は出補です・・・。???って清武駅って特急停車駅なのにマルスないの?
ちなみにマルスとは「旅客販売総合システム」と呼ばれるもので指定席や乗車券、入場券などの発券をオンラインで処理するシステムです。

そのため全行程627.4kmの計算を手計算でやっていただきました。すいません。



この切符のポイントは切符の有効期限を延ばすために連続乗車券にしていることです。連続乗車券の場合の有効期限は各々の有効期間の合計になりますので627km+9.9km(5日+1日)になるのです。

ちなみにですが、この切符、間違えているんです。わかります?(解答は末尾)




相変わらずの強行軍です。とある人から列車に乗ってるだけで(観光地などを)通過していくのが面白いのかと

聞かれたのですが、私の場合(というかてつの場合)手段が目的ですのでまったく問題ありません。目的と手段

を混同するのは決して誉められたものではありませんが、列車に乗るという手段が目的ですので構わないの

です(おお、強気だ!)ということで出発です。

出発

朝8:10・・・決して早くはないのですが最近不摂生な生活をしている私にとってはかなり不安です。取り合えず

目覚しを2つかけておくことにします。(さすがに部屋中に目覚しがあったりはしません・・・あしからず)

でもこうゆう時って大抵目覚しいらないんですよね・・・やはり7時には目が覚めてました。無事に出発です。

いつも乗りなれた路線を南宮崎まで・・・しかし荷物が重い・・・。カメラ、無線機など重量級の品物が大きな負荷

になっております。それでも基本的には列車に乗ってるだけですからそこまで苦にはならないですが、後々乗換

で大きなハンデとなってしまいます。

都城までの間に検札があると思ったのですが2、3回の巡回があっただけ・・・いいのか!?と思いつつ都城到着。

吉都線に入ります。

ちなみに私は残念ながら廃止となった、2000年3月10日の宮崎発最後の急行えびの6号に乗車しました。其れ

以来宮崎、熊本間の直通列車が無くなったのは非常に残念です。というか不便です。今回もえびのがあれば使っ

たのですが無くなってしまったため都城、吉松、人吉、八代と4駅での乗継を余儀なくされます。えびの最終日くら

いの乗車率があれば全く問題にはならなかったのでしょうが、実際この盆の帰省時期でさえボックス席に1人づつ

という現状を見ると仕方ない感もあります。せめて快速直通列車くらいは残してほしかったのですが・・・。ちなみ

に以下はその時の写真です。


ebino1m.jpg ebino2m.jpg 都城より急行えびの号となります。 58m.jpg ebnsabom.jpg

沿線の駅自体は変わってないはずなのですが、当時と比べなんとなく死んでいるような感じがします。生気が

無いというかまるで廃線のような感じを受けてしまいます。特に駅舎はしっかりしたものがある元急行停車駅で

その印象を強く感じました。

途中、対向列車から車掌さんが降りてきてこちらに乗ってきました。今日初めての検札です。しかもこの車掌

さん駅で乗客があるたび顔を覚えていて毎回巡回してきて発券をしております。このこまやかさには恐れ入り

ました。

列車は線形はまっすぐなものの、ひどくゆっくりを田んぼの中を進んでいきます。やがて吉松に到着します。

吉松駅で肥薩線人吉行きに乗りかえになります。吉松に下りてみると、おお!駅弁の立ち売りが残っている

ではないですか!急行が無くなってもまだあるんですね。なんとなく安心しました。せっかくなので写真を取ら
せていただこうと思いましたところ・・・カメラの電池切れ・・・やむなくあきらめます。幸いアルカリ電池を入れ

たあったので一旦抜いて回復に努めます。

そうこうしているうちに折り返し運転の人吉行きがやってきました・・・ってなんでヘッドマークがついてるんだ?

「いざぶろう」は次の便のはず・・・。

kh31.jpg
「いざぶろう」とは通常のキハ31の内装を変更しお座敷にしたものです。ただ一般的に言うお座敷列車とは違ってクロスシートの向かい合わせた間に畳を入れたような感じです。

後で聞いたところによりますと、時刻表には一便のみ「いざぶろう」「しんぺい」と書いてあるものの実際は

この車両が吉松人吉間で折り返し運転をしているようです。しかしこの列車、発車すると予想外のことを

やってくれました。なんと定期列車であるにもかかわらず途中で列車を止め観光案内をやり始めました。

(以下写真参照)

big3.jpg
やったあ!電池回復!
ちなみに案内によりますとこの景色は日本3大車窓の一つだそうです。霧島連峰そして眼下にえびの市内を望みます。


観光案内も終わり出発です。かなりの勾配があるのですが意外とキハ31は登坂力があるのですね。

車輪の空転音がしますが難なく発車します。それでもやはり雨の日は苦労するのか運転席横にはポリタンク

に入れた砂が常備してあります。そして一つ目のスイッチバックのある真幸に進入します。

masaki2.jpg masaki.jpg
進入過程と発車です。
左、真幸駅場内進入です。真幸駅停車します。停車後運転手は後部の運転台に移動し発車します。
右、発車後の写真です。写真左からそれぞれ人吉方面に向かう線路、真幸から出てきた線路、吉松から進入した線路となります。再び運転手は前部の運転台に移動し発車します。
スイッチバックについての詳しいことは他のページにお任せします。
ひたすらトンネルとまっすぐな勾配を登り矢岳に到着します。3分停車します。ここにはかつてこの線区を

走っていたD51機関車が展示してあり、3分あれば走れば写真くらいは取りに行けます。良い運転手さん

ならば発車ベルを鳴らして教えてくれます。なんだか観光鉄道化してしまっているような気がしますが、

実際、真幸も次の大畑もスイッチバックのためだけに残っている感があり、「えびの」亡き後実用路線とは

言えなくなってきています。つまりスイッチバックや車窓を見に来られた観光客の方をターゲットに絞るなら

ばそれで良いのかもしれません。

d51.jpg

列車は進み頂上でしばらく尾根沿いに進み下り始めます。ループを周ってスイッチバックで逆向きに大畑に

進入します。

okoba.jpg

写真の上のほうが大畑ループ、真中がスイッチバックになります。
その後列車は気動車とは思えない速度で一気に坂を下っていき人吉に着きます。ここからは湯前方面に

くま川鉄道が分岐します。さてここで昼飯!と計画していたので乗り換え時間二分しかないのに走って売店へ。

目的はあゆめし・・・のはずだったのですが休業?で買えず・・・;_;おとなしく八代に向かいます。球磨川にそって

列車は快走します。球磨川沿いの国道は狭く、さらに九州道のこの区間が危険物積載車両通行止めのため、

トレーラーも走るため結構走りにくいのです。鉄道はなかなか重要な交通手段となっているようです。かなりの

乗車率で終点まで込み合っていました。

八代で鹿児島本線に入ります。熊本までですがここでは宮崎ではまだ導入されていない(2000/8/13)815系

ワンマンに乗車します。なんか嫌ですねこんな車両。たしかに多く乗れるし分割併合もしやすそうなので使い

勝手は良いのでしょうがオールロングシートはまだ九州には必要ないと思うのですが・・・。熊本に到着するも

ここでも時間不足で弁当が買えず・・・豊肥線肥後大津行きに乗車、これもまた815系・・・空腹と車両の不満

でだんだん機嫌が悪くなってくる。肥後大津で宮地行きに乗り換え一路阿蘇に向かいます。

途中立野でもスイッチバックを体験します。ここのスイッチバックは逆送している区間も坂を登っているので、

かなり大掛かりになっています。またここでは南阿蘇鉄道が分岐します。赤水で「あそboy」と待ち合わせ。

阿蘇の高原を疾走し宮地に到着します。せっかく「あそboy」をみたので宮地で転車台を撮影しておきます。

tensya.jpg kh31-aso.jpg
左は宮地駅構内の転車台です。右は阿蘇外輪山を背景にキハ31を撮影してみました。
宮地からは豊後竹田行きに乗車。再びキハ31です。なんだか今日はひたすら同じような列車に乗り継いで

いるような気がするのは気のせいじゃないでしょう。山間部の一番低いところを縫うように進んでいきます。

竹田水害の時、この区間は廃止がうわさされていましたが想像以上に利用率はあるように感じました。少なく

とも吉都線区間よりは利用率は高いように感じました。豊後竹田から大分行きに乗車。三重町、犬飼と進み

定刻に到着しました。


いきなり最終日

いきなりですが最終日です。どうせこの間のことを書いても日記にもならないような生活をしていますので・・・。

783.jpg 783-2.jpg
乗車列車は783系ハイパーサルーン「にちりんシーガイア5号」です。3月のダイヤ改正で787系から格下げ?

になってしまいましたが良し悪しです。欠点はサービスの質が低下したことでしょうか。ただあのサービスが鬱陶

しいという方も居られた様ですので、そういう方にとっては問題ないでしょう。次に旧式車両になったこと。旧式車

両といっても485系よりは新しいのですが787系に比べれば老朽化は隠し切れません。

(でも九州の特急は良く手入れがされている方なんですよ!)

逆に良くなった?こと。人によると思うのですが私はつばめグリーン車の2段リクライニングシートより寝やすい

気がします。おそらくシートが柔らかいせいでしょう。次に前方展望が良いこと。運転操作も見学できます。やはり

下りは1号車グリーン車1C(1A1Bは運転手さんがすぐ前に居るので展望が良くありません)上りは自由席5号

車でしょう。もちろんグリーン車を確保しました。

(皆さん使ってあげてください。JR九州はかなりグリーン料金を値下げしていますので、決してに高くはありませんし快適です!)

何時も乗っている区間ですが前方展望があると違います。飽きずに3時間がすごせそうです。途中延岡で鮎寿司

を載せてもらえるように予約をしておきます。

(必ず乗るわけではないので食べたい方は車内販売の方に予約されておくことをお勧めします。載ったときにも優先してまわしてもらえるようです。)

あゆあゆ
しいたけ弁当

上、延岡駅の鮎すし。少し食べにくいし値段も張りますが(1200円)丸ごと鮎が二匹入っているので食べ応えはあります。
下、おまけで大分駅しいたけ弁当(1000円)。初日に買った分ですがなかなか面白い内容でした。しいたけの軍艦巻きとかが入っています。
鮎ずしはなかなかうまかったです。個人的には駅弁は幕の内よりも変わりだねという人間なのです。

しかし呑気に駅弁を食っていた私はこのとき列車が遅れて乗り継ぎができなくなっているということを知らなかった・・・。(爆)


今回の旅行で思ったことは車掌さんの存在というものです。最近都市近郊区間で多用されている815系は基本的

にワンマン運転です。確かに都市近郊部は無人駅も少なくワンマン運転でも大丈夫なのでしょうが、逆に有人駅で

の安全確認という面からはかなりの疑問を感じます。有人駅では全車両のドアが開きます。二両編成程度ならば

ともかく果たしてそれ以上の編成で挟み込み事故などの安全確認が出来るのでしょうか?編成が長くなれば死角も

多くなります。JRは営業効率だけでなく、もっと安全面に気を使ってほしいと思います。



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答え;連続乗車券打ち切り計算となる箇所で別々の券をつくらなければならないのに、これは1葉にしてしまっている。
この場合、運動公園→(大分)→南宮崎(券1)、南宮崎→運動公園(券2)となるのが正当(らしい)。