全線非電化!中国横断の旅

今回は鹿児島本線廃止区間の記念に18きっぷ(3/12 西出水駅発行)を購入したこともあり、計画を立てま

した。(さすがに未使用で記念にするほどの余裕は無い・・・)珍しくきっぷがあるから・・・のパターンです。

3日間で何とかなるところというのが条件ですが、今回から出水、八代間が肥薩おれんじ鉄道に移管され、

18きっぷが使えなくなり余計な出費が加算される為、途中経路のワープは極力しないというのも条件です。

(前日にJR九州バス直方本線の取材を入れましたので以下のような日程となりました。) 

1日目〜2日目

西出水 0647発→新八代0828着 0845発→熊本0919着 0933発→博多1142着

門司 2231発(ムーンライト九州)→姫路0513着 0702発 →播磨新宮0738着 0748着→佐用0824着 0826発→

津山0924着 1033発→新見1204着 1227発→備後落合1356着 1401発→三次1512着 1627発→

備後落合1737着 1749発→宍道2030着 2041発→出雲市2059着

3日目

出雲市 0817発→益田1029着 1101発→長門市1253着 1255発→

厚狭1356着 1418発→下関1451着 1453発→門司1500着 1526発大牟田1815着 1823発→八代1945着 1956発

→出水2117着

新幹線特急料金がバカみたいに高く、また今回、とうとう出水駅の駐車場が有料(500円/日)となったため

ちょっとそこまで・・・が非常にやりにくくなってしまいました。新幹線特急料金でおれんじ鉄道片道分が出て

しまいますので、いつものように普通列車で出発です。西出水は平日朝しか営業していないのですが、今回

は窓口が空いていたので切符が買えました。発駅補充式の金額券は全区間分準備されていないのか、

補充片道券での発券でした。駅名ゴム印はJR時代(擦れ具合とか)そのままでした。

乗車率はなかなか良好です。JR時代より利用者が多くなったのか、それともただ単に、3両編成が単行に

なって密度が上がっただけなのか・・・。

新八代乗換え時、西出水、八代間の片道券と八代、新八代分として18きっぷを提示したのですが、なかなか

理解してもらえず降りるまでにかなり手間取りました。

途中省略

JRバスの取材も終わり、ムーンライト九州を追っかけます。客車列車のML九州は門司、下関でパートナー

チェンジがあるため、長時間停車が発生しますので、博多出発に間に合わなくても十分追いつくことが出来

ます。しかし両駅ともこの時間には売店は閉まっており食料調達は難しいところです。夜行列車での移動は

水分確保が必須ですから、自分の場合は常に500mlPETを2本持って乗り込みます。春休み最初の週末

ですからほぼ満席です。ML九州のシートは若干シートピッチが狭いという意見がありますが、どう贔屓目に

見ても足が長いとはいえない私には関係の無い話です。JRバス探索で体力消耗しておりましたのであっさ

り眠ります。・・・が今回は隣の方に何回も寄りかかられたため、途中何度も目を覚ますことになる。

姫路到着は早朝になります。食料調達に駅前を歩きましたが、なかなか見つからずやっと見つけた牛丼屋

で「豚めし」を朝食にしました。早朝の食糧確保は駅によってかなり差がありますが、商店街近くという割に

わかりやすい場所にあり助かりました。(在来線側出口を右に進みアーケードの脇道に「松屋」がある。コン

ビニも近くにあり)

姫新線は名前からもわかる通り山陽線姫路と新見を結んでいます。姫路駅1番線の端から出ています。

今回は新見まで4本の列車に分かれての移動になります。この列車は津山迄の乗継が出来る為か、姫路

からかなりの乗車率でした。18きっぷ期間であったためと、JR西が行っているチャレンジT1グランプリの影

響もあったと思われます。姫路を出ると2駅ほど住宅地を抜けた後、山手に入りますが、工場等もあり、この

区間は姫新線でも運転本数一番多い区間です。



姫路駅1番線



播磨新宮駅。左は入れ替わりに発車する姫路行き。

薩摩新宮は工場の裏手に位置しており、工場通勤等の利用もあるようでしょう。この列車からはほとんど

乗り換えであり、佐用から来た列車の乗客とそのまま入れ替わるような形になりました。川沿いの比較的

広い平地を進んできたここまでと一転し、次第に山が深くなっていきます。川の蛇行で左右にわずかに造

られた平地に沿いながらゆっくり進んでいきます。途中、三日月という駅がありますが、ちょうど谷の地形

が三日月状になっていることによるものと思われます。民家は川沿いに点在していますが、主に三日月、

播磨徳久に集中しているようです。





左;播磨徳久

佐用は智頭急行線と接続しています。「はくと」「いなば」などの特急は智頭急行線を経由していますが、

それはただ距離だけでなく線形も影響していると思われます。実際、佐用周辺だけを見ても、かなり高規

格路線のように見えました。



右;佐用駅構内から智頭急行上郡方面、姫新線津山方面を望む。逆方向の線路が同じ方向に出て行くのは少し違和感を感じます。



左;智頭方面の智頭急行線。姫路からの姫新線と同じ方向からの進入になる。右;佐用駅標;智頭急行のマークも付く

佐用まではキハ47が中心でしたが、ここからはJR西の地方交通線の主力キハ120の出番となります。

(個人的にはあんまりうれしくはありませんが・・・)ここまでキハ47の2両編成からほぼそのままキハ

120の単行になったわけで、さすがに窮屈になりました。ここから先は常にかぶりつきがいる状態で、ロン

グシート部からは首をひねって後ろを見ないと、あまり景色が見えないという状態になってしまいました。



上月 後ろに「澪」をつけたくなるのは自分だけですか?



美作江見 この犬は駅の看板犬ですか?

津山は津山線・因美線(正式には東津山起点)と交差する要衝です。構内は一大「気動車」機関区を

形成しており、どこをみてもキハ120・・・。その一方、構内には扇状庫が現存しており、なかなかサマ

になっております。敷地内では何かのイベントなのか植樹が行われていました。時間がかなり空くので

駅前に出て見ました。駅前には高速バスと市内線二つのバスターミナルがあり、高速バスは主に大阪

駅行きです。しかも30分に一本という頻度にもかかわらず各便にかなりの乗車があり、駅周辺の光景

からは意外な一面でした。



津山城址。



津山駅と高速バスターミナル。



駅前の市内線バスターミナル

備後落合行きの発車前に急行つやま入線してきました。ついこの前まではグリーン車連結の最後の

昼行急行だったはずですが、今ではこの通りです。同区間には快速がほぼ同じ速度で走っており、

便数も多いため、時間の都合でこの便にあたった人が、急行料金を払わされてしまう列車という感じ

になってしまっています。



右;急行つやま

津山から新見までは中国山地を横断することになるため、非常にアップダウンが激しい区間です。おそ

らくキハ120を採用しているのはそのためかと思われます。ほぼ中国自動車道を見上げるようにと平行

しております。線形が悪く速度の出せない鉄道はどう考えても分が悪いです。





新見、備中神代間は伯備線を走ります。備中神代では停車時間の設定がないのですが、G1グランプリ

参加者、走り出て撮影を済ませ、はなだれ込むように列車に戻ってきました。長時間停車が設定されて

いないためある意味撮影の難しい駅といえます。



東条



新見発車後は更に線形が悪化します。崖をへばりつくような場所が幾多もあり、制限20などあたりまえ

直線区間で加速しても、すぐに減速して10km台ということを繰り返します。



備後落合は木次線との分岐駅ですが現在は無人駅です。構内は広くかつては要衝だったことが伺え

ます。また隅には朽ち果てかけながらも転車台が残されています。



乗り潰しのため、一旦三次まで出ます。この便からも木次線には乗り継ぎ可能で、しかも昼行の最終

(とはいっても1日3本しかないのですが・・・)であったため、ほとんどが木次線方面に流れていきまし

た。駅周辺にも特に何もありませんが、運転系統がここで分断されているため(支社が分かれるため)

顔を出す列車は比較的多くあります。

木次線、芸備線の分岐点

三次では遅い昼食になりました、芸備線、三江線、福塩線と入り組んでいるため、今回3回目になり

ます。おかげでどこに何があるのかは大体つかめてしまいました。

広島、三次間には急行みよしがあります。急行くまがわが特急にさせられてしまいましたので、一日

4往復は急行最多の運行本数ということになります。オールクロスシートでありかつての急行の面

影を残す列車です(よく言えば)。



三次、備後落合間も線形は悪く、はっきり言って並行するバスに標定速度で負けています。というか

実際、横を走っているバスに抜かれてるんですけどね・・・。どう見ても三次、津山間は福塩線、木次

線接続の為に残しているようにしか見えません。それも両線の末端区間も便数が少なくJR西の次の

狙いはこの付近ではと疑わざる得ない状況です。



バ、バスに抜かれた・・・

再び備後落合に戻ります。かなり日が傾いているため日のあるうちに出雲坂根までいけるか心配

です。座るのは絶対に左手という車内の言葉が聞こえたためそちらに座ります。津山方面からの

接続列車を待ち出発しました。



三井野原に向け傾斜を上ります。周辺はスキー場のようですが、さすがにこの時期、日陰には若干

の雪が残っているものの、人影はまったくなく、妙に派手な駅舎が浮いていました。

(翌日の新聞記事ではこの駅舎が取り上げられており、国定公園内で無許可で「派手な色に」繰り替えたため近日中に
色を戻すとのことでした)


いよいよループ橋です。進行左手に巨大なループ橋が見えてきます。沈みかけの夕日に照らさ

れ存在感を増していました。列車も減速し撮影タイムです。



その先には3段式スイッチバックが待ち構えています。写真でもわかる通り、妙に中途半端なスノー

シェードですが、ポイントを守るためなのかもしれません。車掌が乗務しない列車ですので、エンド

を切り替え、出雲坂根に進入します。





出雲坂根構内には延命水が湧き出しています。この便は7分停車がとられており停車時間中に飲

みにいくことも可能です。

ここを過ぎるのを待っていたかのように、急速に日が落ちていきます。途中の駅も、この列車が

通過するのを待っているように、明かりを落としていきました。



八川駅

出雲横田には乗務員宿泊所もあります。始発便があるためでしょうし、実際ここから先は運転便

数もかなり増えてくるため、行き違いもそれなりに発生しています。



亀嵩は駅長特製のそば弁当が販売されますが、当然この時間では入手できるはずもありません、

というかトロッコ列車でしか買えないんだったかナ?

木次線の中心駅である木次駅は機関区を持つため構内は広く取られています。どの便もここで

は10分程度の停車となります。窓口は閉まっていますがスタンプは外に出していましたので押

しておきます(盗難防止のため窓口閉鎖中は中に直しているところが多い)。



終点の宍道からは宿泊地の出雲市に向かいます。明日はひたすら山陰線を下り九州に向かう

だけです。

そばが食えなかったのは残念ですが、今回は延名水が飲めただけでも満足ということにします。

(タダだし・・・)


鉄道関係に戻る

mainに戻る