北海道は・・・どう

今回は北海道です。それも12泊13日という長丁場。これでも主な観光地をすべて廻るのは不可能です。さすが

北海道は・・・失礼。

北海道で苦労するのは、まず行程の組み方です。目的地同士が離れているので、道内での移動行程の作成が

非常に難しいのです、一本乗り遅れるともうその日の行動はできなくなってしまうという個所がいくつもあるのです。

また、目的地も多いのでその間のつながりも重要になります。その結果の行程が以下のとおりです。

行程表

今回、どうしてもトワイライトエクスプレスに乗りたかったのです。念のためカシオペア利用のコースも考えていま

すが、あくまで本命はトワイライトEXPです。ちなみにこの行程表作るのに1週間かかりました.

切符

北海道は観光客が多いためかいろいろ便利な切符が発売されています。今回は北海道フリー切符(グリーン車

用)を使用します。JR北海道のグリーン車は九州以上に設備・サービス共にいいとのうわさを聞いておりましたし

値段設定もかなりお手ごろだったからです。しかし何より困難なのはトワイライトEXPのSA2、つまりスイートの確

保です。運行開始から10年経ち一時期のようなブームは去ったといわれていますが、いまだ入手困難であること

には変わりありません、トワイライトの確保ができた日にあわせて日程を組むという方法もとられるらしいのです

が、今回は日程が長いためどうにもなりません(列車の予約は1ヶ月前からのため。おまけに帰りはJASの得割)

万全を期し、列車の予約は3箇所体制で望むことにします。

出発2ヶ月前、道内の指定とトワイライトの依頼をするため鹿児島の某Jのつく旅行会社に依頼しました。やはり

そこでは、「取れるかどうかはわかりませんので・・・」との返。あとは駅での10時打ちを2箇所で行います。

第一希望 8/22 大阪 → 札幌 トワイライトEXP スイート
第二希望 8/22 上野 → 札幌 カシオペア  カシオペアスイート(カシオステ、カシオス)
第三希望                       カシオペアデラックス(カシオテラ)
括弧内はマルス口番

結構無謀かもしれません。はっきり行って第2希望以降にこんなの入れるなんて・・・。あとは運を天に任せるだけ

です。


1ヶ月前・・・午前10時 某駅

残席0

負けました・・・。

燃え尽きたよ・・・真っ白にな・・・

当然、カシオペアも全滅。至急頭の中で対策会議を実施、北斗星の利用に切り替えます。問い合わせると、B寝台

は満席でしたが、増発の北斗星81号のツインデラックスは1席残っていました。確保します。一応確保しておきます。

あとは旅行会社依頼分がどうなっているかですが・・・。

取れた取れないにかかわらず、結果を連絡してくれることになっていたのですが・・・連絡がありません。

なんかいやな予感が・・・

予感的中。某Jのつく旅行会社は日にちを間違えていたのです。・・・役たたずめ・・・。

一応北斗星を確保しているので行程は成立しているのですが、なんとも納得ができませんのでキャンセル待ちア

タックにかけることにしました。

8/22
上野 → 札幌 北斗星 1号(小樽号)、81号、3号 ロイヤル
上野 → 札幌 カシオペア  カシオペアスイート
大阪 → 札幌 トワイライトEXP スイート ロイヤル

これらを暇を見つけては駅に通い、また予約センターに電話で照会を繰り返しました。しかしことごとく不発に終わ

ります。ある日、某オークションでなんとトワイライトのスイートが出品されているではありませんか。しかし予想通

り異常な高値で入札がかかってきません。このオークションの監視を始めました。

その数日後、某Jのつく旅行会社から電話が入りました。トワイライトのロイヤル確保とのこと。とりあえずまずは

一安心ですが本命がまだ動きを見せていないので監視を継続しておりました。

出発10日前の午前中、そのオークションが突然取り下げられました。出品者は旅行会社の人間と踏んでいたの

で、おそらくキャンセル処理をするであろう昼休み時間帯、照会をかけてみました。
(この日何度でもチャレンジするつもりでいましたが)

8/13 12:55頃
通話先;小倉予約センター
「お願いします。8月22日 大阪から札幌まで トワイライトEXP スイート キャンセル出ていませんか?」
「しばらくお待ちください。」
「大阪から札幌ですね。ご利用は」
「2名です」

・・・

「おとりできますが」
「お願いします!」


という具合に一発で確保できました。その時も少し信じられませんでしたが、会社帰り切符を受け取って初めて

安心できました。駅員さんも「よく取れたねぇ、この切符初めて見たよ」とまじまじと見られてしまいました。

1号車1番(展望室)でないのは残念ですが、この際贅沢は言ってられません。とれただけでもありがたいと思わ

なければ。はなっから機械登録でのキャンセル待ちはあきらめていましたので、ハイエナ的手段ですが功を奏し
(某駅でMARSに登録するキャンセル待ちは1日*回決まった時間に行うと聞いていましたので・・・)

ました。ということで完成したのが以下の切符です。

K-jyo-s.jpg
今回はあんまりひねりのない切符構成です。画像は入れていませんが、このほかに座席指定券が6枚あり、
また別に8/31から9/2は18きっぷを使用しています。


出発

鹿児島から大阪まではANA542便で一気に移動します。何しろ始発の普通列車で出て有明6号に乗り継いだ

としても、トワイライトの大阪出発には間に合わないのです。うーん鹿児島は遠い・・・。
               (新大阪ならばぎりぎり間に合いますが・・・)
なにも問題なく伊丹到着。モノレールと阪急を乗り継ぎ大阪駅到着です。デジカメのバッテリーが死にかけていた

ので駅前のヨドバシカメラでバッテリーの予備を確保。入線までまだ30分はありますが早々と入場します。

トワイライトEXPは10番線からの発車ですが・・・うわさには聞いていましたがこのホーム本当に何もありません。

自販機が数台あるだけ・・・。おそらくラッシュの緩和に充てられているホームなのでしょう。まあ天下の大阪駅

ですので隣のホームに行けば売店はいくらでもあるんですがね・・・。

tw-den.jpg
11番線に485雷鳥が入線してきました。雷鳥ももうすぐ681系サンダーバードに置き換えられますのでそろそろ 見納めかもしれません。 tb-s1.jpgtw-s2.jpgtw-s3.jpg 485系雷鳥 先発の特急北近畿は発車しましたので10番線に戻り入線を待ちます。食堂車スタッフもやってきました。車販 分も含めてワゴン3台分はあるでしょうか。 (北斗星は札幌では食材の積み込みをしないので6食分なのですがトワイライトではどうなのでしょう?) 11時32分、入線です。先頭9号車、最後尾1号車です。今回の編成は昨年12月にリニューアルされた第3編 成です。 EF81osa.jpgEF81osa2.jpgEF81su.jpg ・・・ すいません。ちょっと無言になってしまいました・・・。1、2号車は最大定員11人(個室規格上は6人)です からねぇ。車両の4分の1を占有しているだけあり、これが列車だということを考えればすばらしく贅沢な気分 に浸れます。説明するより写真のほうがわかりやすいと思いますのでどうぞ・・・。 tw2-3-0.jpg
発車前、車掌さんがカギ(カードキー)を持ってきました。 「お客さん、初めてですよね。」 「はい、そうそう取れる切符じゃないですからね。」 「でも50回くらい乗った、っていう方もいらっしゃるんですよ。」 ・・・オイ twkey.jpg
トワイライトのスイートは1号車展望スイートのほうが有名ですが、2号車スイートのメリットは化粧室とシャワー 室が別になっているので、化粧室が脱衣所として使えることです。また、総面積が若干広くデッドスペースが 少ないので、居住面積は広いと思われます。また車両側面から上に回りこむ曲面ガラスの窓はサロンカーを                               (上といっても曲面部分までですが) 独占した気分になれます。 12:00定刻に大阪駅を出発しました。「いい日旅立ち」が流れてきます。これから21時間の旅路と北の大地 への期待がますます膨らみます。飛行機で行けばたった3時間ほどの行程ですが、列車の旅という贅沢な時 間の使い方もあるのではないでしょうか? 新大阪を過ぎると食堂車スタッフが夕食の確認と朝食の予約、ウェルカムドリンクの確認に来られました。 夕食は日本海会席御前(マルスでは特製弁当と表記)を予約していました。時間指定はできないと聞いていま したが、希望時間を聞かれましたので19:00でお願いしました。(17:30または19:00) tw-wels.jpg
ウェルカムドリンク写真 受注、復唱とも完璧でした。列車でも一流ホテルのサービスをというコンセプトが十分伝わりました。 列車は湖西線に入り進行右手に琵琶湖が見えてきます。部屋の右側は通路ですが、部屋の窓と外の窓割 があわせてあるので、外側に通路があるのを感じさせない造りになっています。 琵琶湖を眺めながらワインを飲んでいると車販がやってきました。トワイライトオリジナルグッズの販売です。 なんか、JR西日本の策略にはまっているような気がしますが、ティーカップ二脚組みを購入しました。 その後車掌さんが乗車証明書を持ってきてくださいました。以前は販売だったようですが、今はサービスに なっています。 tw-js.jpg
乗車証明書はこんな感じです。下に車掌のサインが入ります。 敦賀では機関車交換のため20分停車します。下りトワイライトで唯一の長時間停車です。(青森、五稜郭 では客扱いがありません) EF81tus.jpg 敦賀での機関車交換 少し遅いですが昼食にします。夕食が食堂車ではないので昼に食堂車に挑戦。カレーを注文。辛口を 選択しましたが・・・辛かったです。でもうまい。 列車は立山連峰を右手に見ながら順調に進んでいきます。まもなく日本海が見えてきます。 今日は天気もよく、日本海に沈む夕日が鮮やかに海を染めています。列車はここから約100km日本海 を眺めながら進みます。まだ、行程の半分も過ぎていません。旅はまだまだ続きます。 直江津を過ぎるころ夕食が届けられました。日本海会席御膳です。お茶とお重がセットで届けられました。 少し遅れて汁椀も到着。 ka1.jpg 会席御膳写真 日は沈んでしまいましたので、夜景を見ながらの夕食です。17:30からの分は空席が目立ったのですが この時間は食堂車の方も満席でした。味は・・・文句なしにうまかったし、内容も面白かったですよ。 夕食後サロンカーに行ってみました。食堂車を通らないといけないというのがちょっと難点ですが・・・。 座席のすべてが日本海を向くように設計されており、夕暮れの日本海を楽しむことができます。パブタイ ムでは酒類の提供も行われています。その時間ちょうど映画が放映されておりほぼ満席でした。 tw-sha.jpg サロンカー車内にある共用シャワールームです。310円で6分お湯が使えます。 部屋に戻ったあとパブタイムのルームサービスに挑戦してみました。A寝個室には食堂車直通電話が ついており、ルームサービスをお願いすることができます。「レビノ スモークチーズのカナッペ」を注文。          (受話器を取るだけで繋がります) といったように普段しないようなことをしながら夜もふけていきます。 pub1.jpgpub2.jpg パブタイムメニュー サロンカー夜間 夜3時になるとサロンカーでは車掌さんによる青函トンネルの説明会が開かれます。起き出して行って みました。青函トンネル通過の間行われる約1時間の説明会です。深夜にもかかわらず、大勢の人が 集まっていました。自分の目的は吉岡海底駅の手前にあるドリームサインの撮影だったのですが、こ の日は若干遅れが出ており、海底駅ではまったく減速がされず撮影はできませんでした。 説明会が終わるころ食堂車では朝食の準備が始まっていました。 食堂車夜間 目が覚めると窓の外には牛がいました・・・って牛なら鹿児島でも宮崎でもどこでもいるんですけどね。 なぜか北海道というと牧場に牛という風景が想像されてしまうのです・・・。 (確かに牛は寒さに強く暑さに弱い動物なので間違えてはいないのですが・・・。) 朝食予約時間の30分前にモーニングコーヒーと朝刊が運ばれてきました。カップはトワイライトオリジ ナルのものです。使用後の食器は通路に出しておくといつのまにか回収されています。(かなり高頻度 に巡回されているようです。) 朝食は予約制ですので、北斗星のように並ばなくていいのと、和食をどの時間にも食べられる(北斗星の 場合、先着順なので遅い時間だと残っていないことがある)のがいい所です。特に予約票のようなもの はなかったのでどうするのかと思っていたら、「**様ですね」とスタッフの方はしっかり覚えていたよう です。和食は朝っぱらから刺身つきです。ご飯が少しやわらかめなのと野菜でごまかされているような 気がしたのが気になりましたが、十分だと思われます。 朝食をとり終えるころには南千歳に近づいていました。終点札幌はもうすぐです。 札幌に近づくと再び「いい日旅立ち」が流れ始めました。まもなく21時間の旅も終わり、そして11日間の 旅が始まります。 あまりに長いので今回は前中後編(中編へ続く)