東北一周乗車記毒入り


今回の旅行は東北です。・・・まあ、端的にいえば「こまち」に乗りたかったんですね・・・。それに今回は

学生最後の旅行ですのでどーんと豪華にいこうということも含まれております。なんと予算が2倍・・・!

しかし、バイトのできていない今年の私にそんな金があるはずもなく、泣く泣く手持ちの物件を売却・・・。

不足分はこれもまた売却益をためていたものを流用・・・。一気に家の中から金目の物がなくなってしま

いました。ともあれ目標金額は達成!


計画

 今回の計画は実は12年12月中旬に始まっていました。実は卒論が終わり国家試験勉強に入った時

でした。つまり現実逃避で時刻表めくってました。とはいいましてもおおっぴらにやってると、あっちこっち

から非難が来そうでしたのでそれとなくわからないように・・・(爆)

今回の目標はもちろん「こまち」ではあるのですが、ほかにもうひとつありました。それは「富士」のBソロ

(一人用B個室寝台)に乗ることです。いまさら寝台特急?と思われる方がいらっしゃると思いますが、こ

れには過去があるのです。実は6年前の1月初旬、やはり現実逃避でセンター試験前で私大受験旅行を

計画していた私がありました。1月30日17時10分発(当時)上り富士のBソロの寝台券と東京ミニ周遊券

を用意しておりました。センター試験の自己採点も終わり休日だった翌日、ある事件がありました。神戸大

震災です。これにより鉄道網は壊滅的打撃を受け私の綿密なる計画は根底から覆ってしまいました。

今回の計画はそのリベンジでもあるのです。

片道乗車券か周遊きっぷか・・・

予算が2倍になったところで、所詮私の財布ですのでたかが知れております。しかしどう計算しても交通費

だけで予算を消化してしまうという問題が生じてしまいました。そのため宿泊費を削るしかありません。当初

2泊を予定しておりましたが、全4泊中3泊を車中泊とすることに変更しました。通常、宮崎ー川崎間に長距

離フェリーがありますのでそれを利用するのですが、この時間が厄介なのです。今回時間的制約により、

下りのフェリーを使うことができません。そのため上りにフェリーを利用し、新宿から下りムーンライトえちご

を利用することにしました。しかしここで問題が生じたのです。どううまくあがいてもちょうどいいところに宿が

取れず、時間が中途半端になってしまうのです。仕方なく今回はフェリーをあきらめ、下りに利用するはず

だった富士を上りに変更し、太平洋側を上ることにしました。問題の帰りはどーんと新幹線を使うことにし、

ドリームにちりん(乗継割引適用)で戻ることにしました。予算は少々オーバーするかもしれませんが、まあ

どっかで帳尻を合わせるしかないでしょう。

ここで2つの選択肢が出てきました。ひとつは宮崎から東京を経由し太平洋側から秋田に入り、日本海側を

下り東京までの片道切符と東京ー宮崎の片道を組み合わせたもの。もうひとつは宮崎発「田沢湖十和田湖

ゾーン」の周遊きっぷです。値段的には片道組み合わせのほうが安いのですが、周遊きっぷには北上ー秋

田間のこまち、やまびこ特急券が含まれています。今回は日程の自由度を増すために周遊きっぷを使うこと

にしました。

jyoubi.jpg
毎回お約束のきっぷ紹介コーナーです。(爆)今回は枚数が多いので見たい方だけ上の写真をクリック まあ、いつものお約束なんですが、経路が複雑です(写真参照)あまりにも経路数が多すぎるとマルスでは 発券できなくなります。(たしか経由線が16線区を越えるとダメ)そのため補充券なのですが、なんとまあ 宮崎駅には補充券の手持ちが無いそうで、油津駅の発行になっております・・・。(油津駅にはマルスがあり ませんので、補充券があるようです。) さらに計画の煮詰めに入ります。本当は花輪線も廻って来たいのですが、乗継時間の都合上無理なようです。 せっかくですからゆっくり取材をしたいので花輪線、五能線は来年以降にまわすことにし、今回は「こまち」往復 あんど北上線「ほっとゆだ駅」温泉ツアーと相成りました。 出発1日目 国家試験も絶望の元終了し、とうとう出発日がやってまいりました。「にちりん」で出発!といきたいところなの ですが、所詮不要なとこには金を使わない節約旅行・・・。日豊線上り佐伯行普通で出発です。これで乗継と ちょうど富士の出発30分前に大分に到着します。 souken.jpg sou.jpg 日豊線から2つ。左は旧鉄道総合技術研究所、右は宗太郎の駅標。 ちなみに今回初めてデジカメを取材に持っていきました。 しかし、最近近郊区間でやたらに使われている815系ダメですね。もう少し導入する区間を考えたほうがいいん じゃないですかね。どう考えても大分の近郊区間程度にオールロングシートは不要じゃないですかねぇ。 (一応元大分県人ですので、別に外部からの批判じゃないです・・・) 大分では併設のスーパーで弁当を用意し富士に乗り込みます。 bs.jpg fren.jpg 左はBソロ上段です。実は普通のB寝台と同じ料金(6300円)なんですよね(ただし往復割引などでは使えない) 当然ながら高さは低いです。ただ、A寝台シングルデラックス(13350円)と比較しても、天井が低くて、洗面台が 無いだけですのでかなり割安だと思います。(それでも寝台料金自体が割高であるという話がありますが・・・) 右は下関での機関車交換。 やっぱ、寝台特急はいいですね。旅情を通り越して男のロマンがありますよ。ロビーカーで夜景を眺めながら 一杯やるのが最高ですね。(結構自販機は良心的価格です。種類少ないけど・・・。)大分で仕入れた寿司を (普段は飲まない人間なんですけどね) つつきながら夜はふけていきます。ちなみに寝台特急(サンライズ瀬戸、出雲、ゆめを除く)は客車なので当然 運転速度は遅いです。どのくらい遅いかというとNTTのPHSが切れないくらい・・・。さすがにこの高速化の時代 にはついていけないのかもしれない・・・。遅くて客が乗らない→老朽客車を置き換えられない→さらに乗らない ・・・悪循環だ・・・。この日も個室はほぼ満室なのに普通の客車2段寝台は1両に5,6人といった状況でした。 さらにちなみにですがBソロの上段は窓が上まで湾曲しているので星を見ながら寝ることが出来ます・・・と                                     (下段は代わりに通路で立つことが出来ます) いわれていますが、実際は上のほうは汚れてるし、足元灯が明るすぎて無理です。気になる方はは何か覆う 物を用意したほうがいいかも知れません。 (なお、荷物室の奥にコンセントがあります。携帯の充電などに・・・) 第2日目 目がさめるとちょうど浜名湖でした。快適な目覚めです。天気は快晴、文句のつけようもありません。そろそろ 車内販売が廻ってくるころです。朝食を確保することにします。 jdben2.jpg jdben.jpg 今回もお約束で食事は極力駅弁です。 これで800円はちょっと高いかなあ・・・味もかなりイマイチ、というよりありきたりで面白くない。 fuji.jpg
せっかくですから車窓からも一枚。私的には会心の一枚かも・・・。 列車は東京に向け疾走。でもよく考えると九州発では東京着の一番速い富士でも10時、東京にいくのに利用は しずらいんですよね。これも低利用率の原因かもしれません。 ここでアクシデント発生。トイレに入っている途中・・・いきなり非常ブレーキを食らう・・・。思いっきり頭ぶつけて しまいました・・・。痛い・・・。 窓の外には通勤のサラリーマン。来月には自分もああなっているのかと思うと・・・(泣) その後は大きなトラブルもなく無事東京駅に到着。常磐線に乗るため上野に移動します。上野から「いわき」 行普通に乗車します。おお、ボックスシートではないか!やはり旅はこうでなければ旅情がありません。しかし 気づいたのですが、なんかトイレの数が少なくありません?7両に1つしかなかったような気が・・・。まあ、利 用頻度は少ないですから、そんなに気にすることはないのかもしれませんが、少し気になりました。列車は幾 度となく「ひたち」に追い抜かれいわきを目指します。(しかし日立市ってほんとに日立ばっかりなんですね。) 今回の旅行はやたらに乗り継ぎがよく、計画ではほとんど10分以内の乗り継ぎです。でも逆にいうと、恒例 の駅のスタンプ集めができないんですよね・・・いいのやら悪いのやら。 いわきで乗り継ぐと列車は単調な平野から一転、山間部に入ります。しかし残念なことにここからはオールロ ングシート車両。先ほどから木陰に残っていた雪がだんだんと増えてきました。仙台に着くころには日もだい (***で女子高生の大群が乗ってくる・・・っててめーら羞恥心っちゅうものを持ってねーのか?) ぶ落ち暗くはなってきましたが、雪ははっきりわかる位まで増えてきました。仙台でも乗り継ぎ時間は短いの ですが、夕食用に「花すし」を購入。 hanasusi.jpg hanasu2.jpg 夕食時に撮影。量は少なめですが(女性向きか?)内容はなかなかのものです。 この内容で700円ならば駅弁としては合格だと思います。 ここからは東北本線に入ります。誰かが「東北本線は貨物線のおまけだ」と言っておりましたが、そうかもしれ ません。やたらに貨物列車が多いです。でも線形はいいですね、ほとんどまっすぐです。これならば新幹線が なくても十分じゃないかと思えます。さすがは昔からの日本の大動脈。宮崎もこんな線形だったら陸の孤島とか いわれずに済んだんですけどね。 (コラ、松形んハゲジジイ、シーガイアなんかに金使わんで日豊線複線化すりゃよかっただろうが!おめーいくら金もらったんや) さすがにこのあたりになると暗くなってきてほとんど周りが見えません。暗闇の中北上に到着。周遊ゾーンに入 ります。ここから新幹線が利用可能になりますので、東北新幹線に乗り換えます・・・。・・・あのー、改札の駅員 さん?そんなに周遊きっぷが珍しいですか?そんなにじろじろ見なくてもいいじゃないですか・・・。まあ、経路を 書いてある業務連絡書まで全部確認すると30秒はかかるんですけどね・・・(爆)。 max.jpg
MAXやまびこ到着。完全2階建て(一部身障者対応席のみ一階建て)です。 自由席は2階席は3+3シート一階席は2+2シートになっています。景色を取るか居住性を取るか・・・。 たった20分ですが快適に盛岡に到着。本日の宿泊地です。っとその前に帰りの新幹線の予約。・・・ごめんな さい盛岡駅でドリームにちりんの特急券を買おうとした私が悪うございました。発券区間がわからずえらく時間が かかってしまいました。その後宿にはいる。なんとありがたいことに、ここは朝食がタダ!最近このタイプのビジネ (単に宮崎空港とすると指定席がない区間のためエラーになってしまいます。南宮崎または宮崎にするのが正解) スが増えてきましたね。それもコーヒーだけでなくオレンジジュースもあり、よくありがちな、なくなり次第終了ではな く、きちんと補充もしてくださいます。パンがなかなか美味でした。まあ、問題といえば安いタイプの部屋だったせい か、コンセントの数が足りずに困ったというところでしょうか。 (なぜかポットはあるのに部屋の中にコンセントがない・・・) 第3日目 駅まで徒歩3分・・・。のはずなのに雪道になれていない私は倍近い時間がかかってしまったような・・・。ともあれ 駅に到着。秋田行きこまちに乗車します。 komati2.jpg komati3.jpg denko.jpg
E2系こまちです。2+2シートでなのですが新幹線の割に車内が狭いような気がします。 kakuno2.jpg 3sen.jpg komati4.jpg 左から、連結器格納中、三線軌条、こまち外観です。 連結器格納は出発後行いますので、乗ったままだと見れません。盛岡で一旦下車する必要があります。 7:55発こまち61号に乗車します。大釜でいきなり列車待ち合わせです・・・。新幹線に乗ってて対向列車を待つ のは結構変な気分です。列車が内陸に入るにしたがって、雪で地面が見えなくなってきます。窓の外は一面の 雪。旅情を誘いますねぇ。ここで検札があります。「あのー、この周遊ゾーンはどうなっていますけねぇ?」って 車掌さん、かかわりのある周遊ゾーンくらい覚えておきましょうよ!・・・まあ、マルス発券の場合券面に周遊 ゾーンが印刷されてますからしょうがないんでしょうけど・・・。 なんか乗ってる感じだと普通の特急と変わりませんね。よく、安全性向上のため踏切の改築を行ったとありま すが、踏切もすべてが作り変えられたようではないようです。大曲で列車進行方向が逆になりますが、終着 秋田までまで近いせいか座席の向きを変える人はほとんどいません。山間部を抜け再び雪が少なくなってくる とまもなく秋田です。 秋田では土産の買い込みと昼食を確保。構内では青森行き「かもしか」が停車していたので撮影しておきます。 うーん。どこと比較しても旧型車両は九州が一番整備状態がいいような気がします。また、構内の蕎麦屋で 「めかぶそば」なるものを見つけたので食べてみる。なかなか美味。って、まあめかぶが入っているだけなんです けどね。 hata2.jpg hata21.jpg 秋田駅で確保した「鰰すめし」です。うーんこれで1000円は少し高いかなあ うまいことはうまいんですけど・・・それは鰰がうまいんであって・・・。 秋田からは折り返し普通列車で大曲まで乗車します。やはり普通に乗らないと見えない所がたくさんあります。 個人的には、新幹線が導入された区間で普通列車にしわ寄せがくるのは納得いきませんね。華やかな部分だ け強調して、不採算である日常の足を切り捨てているような気がしますが、JR各社のみなさんどう思われます か?私は特急も普通もその区間を使用するという点で同じであり、特急が走れるのはその路線があるおかげで あり、特急料金は路線の維持のためにまわすべきだと考えます。それは線路が違っても目的地が変わらないな ら(ex.長野新幹線)同じ考えにたつべきと考えます。 大曲で後続のこまちを待ちます。今回乗換駅が少ないので、こういう細かいところでスタンプをゲットしております。 ここからは少し駆け足になります。こまちで盛岡まで乗車し、MAXやまびこに乗換、北上を目指します。そして北 上から北上線に乗り換えます。この路線は秋田新幹線が全通するまで秋田リレー号が運行されていた路線です。 線形的にはひたすら上りが続きます。車両はキハ100ですがこの坂道をものともせず登っていきます。左右には 線路を掻き分けたであろう雪の壁が続いています。やがて列車は「ほっとゆだ」に到着します。この駅には町営の 温泉が併設されており、駅舎内から直接いけます。湯はかなり熱め。ぬるめの湯が好きな私には少々つらかった ため早々とあがる。本当は温泉に浸かって次の列車を待つつもりだったのですが少し時間が空いてしまいました。 ということで、駅周辺を散歩します。・・・気のせいか雪が身の丈の倍くらいあるんですが・・・。 yuda.jpg kita.jpg 左、ほっとゆだ駅です。JRらしからぬ駅名です。 駅の左側が温泉になっています(200円)。 やがて上り、下り列車が同時にやってきます。ほとんどの方が再び北上まで戻っていきます。ここから横手まで抜 ける人はほとんどいないようです。あんまり人がいなかったため、終点まで運転手さんとしゃべってました。え?会                                                   (注意!本当はいけません) 話内容?まあ、色々と・・・。多分傍から見るとばりばりの東北弁と大分訛りの半標準語?相当変な会話だったと      (シーガイア批判とか) 思います。(話、半分しかわかんなかったし・・・)まあ、いろいろ話が聞けて面白かったです。(感謝)横手駅で発券 時にかえりのきっぷの使用開始日が間違えていたので修正してもらう・・・。だーかーらー、そんなに悩まなくても いいじゃないですか!おまけに「九州ってまだこんな券使ってるの?」って・・・(悲)おまけに列車のの出発まで時 間無いんですから。・・・なんとか間に合いました。 横手から奥羽線に入り新庄に向かいます。この区間地図上では短いようなんですが、意外と遠いんですね。新庄 では「つばさ」がお出迎え・・・を横目に見つつ陸羽西線余目行きに乗車します。 hurukuti.jpg
陸羽西線古口です。この区間の列車はやたらにカラフルでした。 ・・・九州の地方交通線では考えられないような・・・。 この区間で気づいたこは、さすが北国というべきか、どんな無人駅でも必ず戸が付いた待合室があることです。た しかに寒空の下、風をさえぎるもののないところで待つのはつらいですからね。列車は無事、余目に到着。上りの 村上行きを待ちます。・・・しかし来た列車・・・なんですかこれ???キハ40-47の編成なんですが全車両カラー リングが違うんです・・・なんか車両がなかったから寄せ集めてみました・・・みたいな・・・。まあ、機能に影響は無 いでしょうけど・・・。 amarume2.jpg mletigo.jpg
左、余目駅構内。個人的にこういう雰囲気好きです。右、MLえちご。 村上にてML(ムーンライト)えちごに乗り換えます。春休みにもなっていないのにほぼ満員です。シートピッチも 予想よりも広くリクライニング角も問題ありません。まあ、減灯があまりされないので、明るいと寝れない人にはつ らいかもしれません。途中長岡で停車時間が長いため検札があります。・・・ってこの時間ちょうど寝入った頃だ から起こされるのつらいんですけど・・・。どうせ新潟から全席指定なんですから、新潟の発車時刻ずらして新潟 で検札してもいいような気がするんですけどね。(そうすると、列車の遅れが出たときに日本海2号で追いかける 裏技が使えなくなりますが・・・)その後はとりあえず寝る。 第4、5日目 朝、新宿に到着、早すぎるので適当に列車内で寝る。 (中略・・・ってただの買物ですよ) いよいよ旅も終わりに近づいてきました。のぞみは高いのでひかりを2本乗り継ぎます。(値段は通しといっしょ) 最後の夕食は「深川めし」です。これずっと食べたかったんですけどなかなか縁がなくて・・・。おすすめです。 さすがにMLえちごで睡眠不足だったため、寝る。 新大阪で「ひかりRail Star」に乗り換えます。いいですねこの車両。指定席は2+2シートでグリーン席と同じ規格                                            (かわりにもともとグリーンがありません) です。自由席との値段差(510円)以上の価値があります。これは絶対指定席にするべきです!おまけに運転 速度ものぞみと大差ありません。    rs.jpg
その後小倉でドリームにちりんに乗換え、無事宮崎に帰着しました。 今回の旅行は、時間、予算の両方の制約により、かなりはしょったものになってしまいました。本当は青森まで 行きたかったんですが、それは来年以降のお楽しみということで・・・。 長文にお付き合いくださいありがとうございました。 え!?国家試験?まあ何とかなってました・・・。 mainに戻る 鉄道関係に戻る