
三段峡に行ってみたくなりました。中国地方の乗り潰しは以前から計画していたのですが、なかなか機会が
ありませんでした。その後可部線の存続問題が現実味を帯びて語られ始めて以来気ばかりあせっていました。
再び18きっぷ期間が回ってきたことですし、今回思い切って土日で三段峡を中心に廻ってみることにしました。
しかし計画を思いついたのは出発5日前・・・相変わらず突発的です。日程を組み立ててみたのですが、なぜか
その日は広島市内の宿泊施設が全滅・・・。宿泊が確保できるのは福山市内と三次でした。仕方なく本命の
三段峡の滞在を可能な限り短縮し、その他の日程を充実させることにしました。その結果が以下の日程です。
1日目
出水 → 久留米 → 小倉 → 小郡 → 岩国 → 広島 →
0103発 0511着 0525発 0754着 0801発 0930着 0933発 1121着 1128着 1214着 1230発
ドリームつばめ
可部 → 三段峡 → 加計 → 可部 → 広島 → 三次
1303着 1305発 1438着 1721発 1745着 1754発 1851着 1852発 1934着 2007発 2139着
2日目
三次 → 浜原 → 江津(ごうつ) → 浜田 → 益田 → 津和野 →
620発 0746着 0803発 0929着 0936着 1001着 1141発 1232着 1406発 1448着 1530発
アクアライナー SLやまぐち
小郡 → 下関 → 門司 → 小倉 → 博多 → 久留米
1713着 1747発 1856着 1904発 1912着 1915発 1921着 1934発 2017着 2027発 2059着 2105発
ソニック46 有明47
熊本 → 出水
2203着 2205発 2359着
結局宿泊地を三次にし翌日、三江線から日本海に抜け山口線で帰ってくるコースにしました。今回も18きっぷ
なのですが時間の都合上初日は久留米迄特急を使わないとさすがに三段峡を廻る時間が確保できません。
そのため1日目の出水久留米間はドリームつばめを使用します。今度は帰りなのですが、山口線には「SL
やまぐち」号があります。しかしこれに乗ってしまうと出水まで全線を普通で帰ってくることはムリです。でもせっ
かく行くのですから乗っておきたいです。それもその日は重連運転日なのです。ただSLやまぐち号は全車指定
席のため指定券がないと乗れません。まあ、指定券が取れたら乗ろうということにしてみました。(出発5日前)
・・・取れてしまいました・・・。普通は取れるはずがないんですが・・・。ということで、別途
指定券+小倉、博多間の特急券+久留米、熊本間の特急券+小倉、熊本間の乗車券
が必要というえらく高いSL乗車になってしまいました。
(ただしきっぷは今年からやたらに使い勝手のよくなったNGC割引です。注;今年から片道使用OKという常識を超えたものになりました。)

出発(1日目)
普段私は本州方面に出るときは、出水0534発熊本行き普通で出るのですが、今回は三段峡での時間確保
が必要なためドリームつばめで出ることにしました。18きっぷは使えませんが、JR九州にはNGC割引が使え
ますので、こういう場合は重宝します。指定を取らなかったのですが何とか座ることができました。経験上、上
りに関しては最ピーク時では阿久根まで、少し外れれば出水までは自由席でも座れるようです。6号車に陣取
りとっとと寝ます・・・。
久留米で乗り換えます。ドリームで中途半端にしか眠れなかったので小倉まで寝ます。なぜだかわかりませ
んが私は普通列車のほうがよく寝れるのです・・・。小倉で昼飯の弁当を調達しておき、朝飯は立ち食いそば
で済ませます。周りは見るからに18キッパーばかり・・・。小郡、岩国と乗り継ぎ広島到着です。本来は横川で
も乗換可ですが物資調達のため広島まで行きます。
広島からは可部線可部行きに乗車します。可部付近までは市街地、住宅地が続いており、まさか廃線検討
路線とは思えません。可部で連絡するキハ40に乗換え、小倉で調達した弁当を広げながら発車を待ちます。

無法松弁当です。値段が下がっていたので買ってみました。


左;可部駅から下り三段峡方面 中;可部〜広島間で使用される車両 右;可部から三段峡へ向かう車両
可部までは電化され15〜20分スパンで運行されているのですが、しかし可部を出て状況は一変し、入り組ん
だ山間部に入り込みます。場所によっては制限25km/hまで制限がかかるカーブ、なぜか逆バンクがついて
います。これじゃスピードはあげられません。かつては待避線が会っただろう駅も待避線が撤去され、入替駅
以外は完全に単線化されています。


待避線が撤去された布駅2.3番線。しかし変わった駅名です。
ただこの区間、併走するバスが普通便でも2時間以下、三段峡のある町の中心地までなら高速経由便があり
ますので1時間で着きますし、便数も戸河内までは可部線が4往復に対し、バスは13往復です。実用性の面
では勝負にならないかもしれません。


左;安野駅、中;安芸飯室駅です。右は川辺駅にあった立看ですが、今となっては・・・。
しかし、見方を変えれば非常に味のあるともいえます。沿線は太田川沿いを上っていきます。


沿線ではなかなか立派な棚田が見られました(布駅近辺)。また途中では数多くの釣り橋が見られます。
三段峡まで可部から1時間23分です(乗換なし)。距離は46.2kmなのですが。路線がこの状況ですので・・・。
途中加計駅で行き違いがあります。あれ?駅員さんが乗り込んできました。と思ったらタブレットを持ってきたよう
です。この区間、タブレット閉塞だったんですね。結局その後三段峡まで交換がなかったのですが便数が少ない
から区間が長くてもこれでも十分なのでしょう・・・。
三段峡はホームの端5mくらいで線路が終わっています。駅員さんはいますが、切符を買うと加計駅発行になっ
ています。(○ム扱いになっていました。)

三段峡では駅に11時までに着けば、マイクロバスが出合橋というところまで連れて行ってくれます。これに乗れ
ば、三段滝、二段滝などをスムーズにまわることができます。(1057着の列車に接続)
今回は時間に限りがあるため(すでに14:38)徒歩でいけるところまで行ってみることにします。下調べしたとこ
ろでは、黒淵というところまでは回れそうです。
念のため軽登山装備にしておきましたので順調に進めます・・・が、時間が正確に予想できなかったので、
速歩で歩いてます。確かに黒淵までは舗装がされていますが、割にアップダウンがあるため、あまり軽装備
(街中歩き装備)だとつらいかもしれません。



速歩で(といっても写真をとりながらですが)約50分で黒淵に到着しました。休みのせいか割と大勢の方と
すれ違いました。黒淵では渡し舟で淵を渡ることができます。

オオサンショウウオもいるらしいのですが・・・相手は夜行性ですからねぇ・・・。
今回の行程はここまでにして、一服して引き返すことにします。時間的にはもう少し上までいけそうなのです
が、この上はまた次の機会に・・・。
上り三段峡発は1721です。少し急ぎすぎたせいか思いっきり時間が余ってしまいました。駅周辺の土産物
屋を物色しながらラムネを飲んで過ごします・・・(なぜ!?
上り(広島方面)は加計、可部で乗換になります。列車は行きはすでに入線していました。
広島駅の地下で半額弁当を夕食として仕入れ(なんかむなしい・・・)芸備線で三次に向かいます。割と込ん
ではいますが席を確保しました。祭りでもあったのでしょうか、そんな雰囲気の方もぼちぼち見られます。
しかし駅を過ぎるたびに徐々に人は減っていき、終点三次に着くころには、各車両に1人づつ程度になってい
ました。
2日目
今日は三江線に入ります。三次、江津を直通できる列車は1日3本しかないので、0620三次発の列車で出
発します。

三次では、駅のあるか右0番線で列車は待っていました。乗客が他にいなかったためか運転士さんは、わざ
わざ接続を調べてくれました。自分も当然調べてはいたのですが、
「浜原から浜田までは同じハコですから」といわれ???
出発時刻ころには乗客は自分をいれて4人ほどになっていましたが、うち3人はよそ者と思われます。つまり
普段の乗客は一人?
列車は除草もいまいちな線路にゆっくりと入っていきます。速度は40km/hほど。江の川沿いに進む走行距離
108.1kmのトンネルとカーブの多い路線です。
・・・しかし・・・乗客に変化がありません。1名下車しましたが、乗車客はいません。大丈夫なのか三江線!?

この区間も釣り橋が多く見られます。写真は所木手前
しばらく進むと線路上に行く手をさえぎるものが見えます。減速して近づいていくと線路上に竹が覆い被さって
いました。そんなに太い竹ではないので無理に進めばとおれるのでしょうが・・・。
運転士はぎりぎりに寄せると前方右のドアを開け、カバンからのこぎりを取り出し撤去を始めました。
・・・なんでそんなものもってるんでしょう・・・日常茶飯事なんでしょうか?

竹除去中。信木手前で。
その後は口羽で上り列車の待ち合わせがあった後は、特に大きな問題もなく、若干乗客も増え浜原に到着しま
した。


左、中;口羽での待ち合わせ。右;宇都井(橋上駅)から
浜原で少し散歩を市ながら待っていると、江津方向から列車がやってきました。この列車が折り返しになるよう
です。
なぜか運転士は自分の乗ってきた列車と同じ方でした。浜原から江津までは線形もよく、列車も快走していき
(つまり車両は浜原で折り返しになりますが、運転士は江津まで通しで乗務されるようです)
ますが、車窓は三次、浜原間のほうが一枚上ですね。乗客も徐々に増えていきました。まもなく江津到着です。
江津到着時のアナウンス「この列車、936発浜田行きとなります。列車浜田までまいります。」
乗ったとき「同じハコですから」って言ったのはそういうことなんですね。結局三次から浜田まで同じ運転士さん
でした。

いそかぜ「関門、下関キャンペ−ン」仕様
浜田から益田まではキハ126系アクアライナーです。山陰線での高速化工事を機に導入されました。木目を
基調とした新型車両です。

126系アクアライナーです。一応電光掲示(一行)もついてます。益田駅にて

周見ですれ違った181系スーパーおき
山陰線もA特急料金区間ですから、少しは営業努力を始めたのでしょうか?これで古い、遅い、不便の3拍子
そろった汚名も少しだけ返上できそうです。
益田からは山口線でやまぐち号の始発駅津和野に向かいますが、少し時間が空きましたので昼食にします。
・・・が、地方都市に行くとよくあることではあるのですが、見つかんないんです飯屋が・・・。たいていは駅前に
何件かあってもいいのですが・・・。すべからく閉店中・・・。仕方ないのでてくてくと適当に歩き回っていたら、
外見は喫茶店風なのに妙に込んでいる店があったので入ってみることにしました。
・・・大当たりでした。喫茶店+パスタ専門店ということでしたが、これだけの客の入りというのが納得できる味
でした。
津和野到着は、やまぐち号発車30分前でしたが、小さな駅ですので駅からは文字通り人があふれていました。
また構内では出発準備が着々と行われていました。

発車を待つSLやまぐち号。本日はC56 160号機とC57 1号機の重連運転日。(リンク少し重めです)
しかし乗ってみればSLの実感は薄いですね・・・と、油断していましたら、思いっきり実感できました。トンネルに
入った途端、煙が客室内に充満してきました。何か車内がくすんで見えます。今日は重連運転日ですから煙の
量も2倍!?石炭と一酸化炭素を思いっきり満喫できました。
車両は6両編成で前から展望客車、欧州風、明治風、大正風、昭和風、そして最後尾は1等展望車(共有スペー
ス)となっています。


左から1号車展望スペース、1号車客室、2号車(欧風車両)です。


左から3号車(明治風)、4号車(大正風)、6号車(マイテ49 2)1等展望車です。
昭和風は・・・写真が行方不明です・・・ただし、地方に行けばまだどっかにいるかもしれないような車両です。
SLやまぐち号は2号車が1番人気だそうです。隣に座っておられた方の話では、1ヶ月以上前に頼んでいたのに
取れなかったそうです。うーんコミケ時のながら並かも・・・。ちなみに自分が確保した席はそのグループの方が
数日前1名分キャンセルした分だそうで・・・幸運でした。(連休中の運行は1ヶ月前に取らないと埋まってしまうこ
とがあるらしい)全体を見ても1,2号車と3,4,5号車に格差があるような気がします。乗るならば車両指定で買う
べきだと感じました。(といっても他の車両もそれなりの趣があるのですが)
2時間弱999気分を味わい、小郡に到着しました。
ここから鹿児島出水まで強行軍ですが頑張って帰ります。
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今回見つけた変なモノ

鰈がカレーで華麗に泳ぐ・・・らしい