飯山線,只見線,米坂線 秋を探すにょ!?北陸内陸縦断の旅

 前回の更新から半年経ってしまいました。(いつものことか・・・)今回、都合良く週末に東京出張が入りましたの

で、それを利用して、飯山、只見、米坂線と北陸を地方交通線で縦断してみました。

ちょうど紅葉シーズンであり、今年はTVでもこの只見線が妙に高頻度に紹介されていました。小出から会津若松

に至る135.2kmの路線ですが所要時間は4時間半であり、評定速度は30kmを割るのんびりとした路線です。

きっぷ

今回はなんのひねりもなく「土日きっぷ」です。都合よく旅程がエリア内に含まれていたのと、新幹線が使えるのに

惹かれました。一筆書ききっぷ(都区内発、長野行新幹線、飯山線、只見線、磐越西線、羽越本線、米坂線、奥羽

本線、東北本線経由、都区内行き)も考えたのですが、宿代を浮かすために只見線乗車後、いったん東京に戻り

MLえちごで再び新潟に向かうことにしました。

10/18

東京 0752発(長野行新幹線 あさま55号 長野行) → 長野 0942着 1004発(飯山線 越後川口行) →

越後川口 1243着 1254発(上越線 越後湯沢行) → 小出 1306着 1312発(只見線 会津若松行) →

会津若松 1659着 1718発(磐越西線 郡山行) → 郡山 1826着 1901発(やまびこ124号 東京行) →

東京 2024着 新宿 2309発(MLえちご 新潟行) →

10/19

新潟 0456着 0606発(白新線 新発田行) → 新発田 0639着 0648発(羽越本線 酒田行) →

坂町 0711着 0720発(米坂線 米沢行) → 米沢 1000着 1009発(山形新幹線 つばさ108号 東京行)

東京 1224着


「土日きっぷ」
 信越、南東北、関東をカバーしたフリーきっぷ。土日でしか使えないことが惜しいが(祝日はだめ)、魅力はその金額。2日間エリア内の新幹線を含む特急乗り放題で大人16000円、中高生8000円、子供はなんと2000円。取れるところから取って将来の客を育てるというすばらしい値段設定。しかも指定席も4回まで使用可なのでMLえちごのような全席指定やあけぼの号のゴロンとシートなどが使え重宝する。大人の値段設定が高いといっても、なにしろ東京、長野往復(新幹線)でほぼ元を取ってしまうのだから使い方次第では効果は絶大である。
なお、注意点としては乗車当日の発売はしないため前日までの購入が必要である。

1日目(11/18)

前日はな・ぜ・か徹夜だったため、東京駅にあさま55号が到着した途端撃沈。(最近このパターン多いよな〜)

まあ、今日のメインは飯山線、只見線なのでこれはこれでよし。鋭気を養いましょう・・・。



最近は交通新聞社の時刻表でさえ「長野新幹線」と書いてしまっていますが、正式には「北陸新幹線」(または

長野行新幹線)です。まあ本当に北陸新幹線になる日が来るのはいつのことか・・・今の現状では上信新幹線

がいいとこか・・・。(上州信州新幹線?)



新幹線コンコースにある解説

長野駅は広い自由通路の片側に改札がある構造になっており、駅舎の規模の割に駅機能はコンパクトな印象

です。在来線、新幹線の間に中間改札はありますが、乗換時間としては在来線同士の乗換とほとんど差は無い

程度です。

改札内では「おやき」の販売がありました。結構変わったネタが目に付きましたのでその中から、かぼちゃ、みそ、

あざみの3品を購入。ほかにも切り干し大根、野沢菜、ニラなど面白いネタがありました。保温ジャーに入ってい

たせいか、もっちりとした感触でしたが、中の具も意外性の割に不自然さが無い味でなかなか美味でした。

長野からは飯山線に入ります。飯山線は豊野、越後川口間96.7kmの路線で千曲川に平行しながら走行します。

車両は東日本のローカル線御用達のキハ110です。途中飯田までは地元の利用が多く見られましたが、その先

戸狩野沢温泉で温泉客の降車後は車内もずいぶん空いてきました。津南、十日町を中心とした区間乗車はそれ

なりにありましたが、乗車率は芳しいものではありませんでした。



千曲川沿いを進む飯山線は比較的なだらかで、穏やかな時間が流れています。



森宮野原:この駅は日本最高積雪記録7.85m(S20.2.12)地点です。この駅からは山越えをして越後湯沢に向かうバスが出ています。(南越後観光バス)

十日町で北越急行の下をくぐります。下から見ると電Go!との距離の差がさらにはっきりと感じます。
(北越急行とJRは通過連絡運輸が設定されているのに、なぜか十日町では接続されないと言う不思議さ・・・)
通過連絡運輸・・・たとえば北越急行の場合、直江津→(犀潟)北越急行経由(六日町)→越後湯沢、というように、指定された駅で乗り換える場合、あいだに会社線を含んでも一葉の切符で発行できる。また、北越急行など一部の路線はさらに、その前後のJR運賃は通算して計算するため、JR運賃に関しては割安になる。



左:飯山線キハ110 右:上越線115系

終点越後川口で。上越線と接続します。私と同じ乗換であろう乗客が半数を占めていました。地下道をくぐり上越

線ホームに移動します。やってきた下り列車はすでに満席でしたが、越後川口から小出まではたったの3駅です

から、そのまま立席乗車します。

小出からはいよいよ4時間半の長丁場、只見線に入ります。これだけの距離は飯田線以来ですが、気動車としては

初めての距離です。只見線は日本有数の豪雪地帯を通る路線で、冬場は並行する国道252が閉鎖されるため唯一

の交通手段になります。そのため、定期排雪列車が組まれ特殊排雪列車の運転数も指折りの多さです。小出、会津

若松間の直通列車は一日3本ですが、夏は新緑、秋は紅葉と四季折々の景色が楽しめるため、観光列車が運行され、

観光路線としての要素も強い路線です。

沿線の入広瀬村は山菜共和国を名乗っておりこの日は「さんさい共和国秋祭り」が行われていました。そのためこの

列車の乗車率も比較的高い状態での出発となりました。この列車で隣になった方は知床斜里の方でした。話を伺って

みると、湯沢から会津若松のお客さんに会いに行く途中だとかで、新幹線で向かうつもりが、そのお客さんの強制的

な?紹介でこの路線に乗ることになったらしいです。その方はまさか4時間半もかかるとは思わなかったらしく、唖

然とされていたようですが・・・それでもこの路線の紅葉には納得!だったようです(私感)



入広瀬を過ぎると、平地はほとんど無くなり只見川沿いの渓谷部を進みます。そのため上のような光景が只見までの

間、車窓に繰り返し現れます。

大白川では先に紹介しました観光列車「風っ子会津只見号」待ち合わせのため長時間停車となりました。乗客もほと

んどホームに出て、ミニ紅葉狩りとなりました。



大白川駅で待合停車。タブレット交換を行います。



やってきた「風っ子会津只見号」オープンウィンドウで風を感じます。ちなみに所属は仙台支社。

気付くと先ほどの方がきのこ汁を食べています。駅の中に露天が出ていたそうで、私は撮影に夢中になってしまい気付

きませんでした・・・失策・・・。

列車は次の田子倉に向います。大白川、田子倉間で県境の六十里峠をこえます。ここにある六十里越トンネルは6349m

もあり、通過に約10分かかるローカル線としては異色の存在です。しかしこのトンネルのおかげで只見線は冬季も運行

できる訳です。トンネルの中心で上り勾配から下り勾配に変わるため、突如エンジン音が消えぐんぐん加速しながら進

んで行きます。田子倉駅はシェルター内にあり風雪をしのいで列車を待つことができますが、この駅は田子倉ダムへの

観光客利用が主で、冬季にはほとんど利用が無いため冬季は閉鎖されます。



田子倉駅と田子倉ダム

会津川口からは再び平野部になり、運転本数も増加します。しかしここでトラブル発生!なんか最近トラブル遭遇率が

高いような・・・。今回は異臭騒ぎ・・・。原因は進行方向先頭右ドア開閉部からの圧力もれ。なんかコンプレッサー

がやたらに動くから妙だとは思っていたんですが・・・。一旦テープを巻いて補修したようですが、一駅と持たず外れ、

再びカビ臭が車内に充満・・・。結局修復不可能で、このドアは終点まで使用不可となりました。ワンマンだったら大

変だったでしょうが、ツーマン運転だったことが幸いしました。



4時間半の長時間乗車の後、終点会津若松に到着しました。



会津若松からは郡山に出、一旦東京に戻ります。郡山駅では夕食用に「阿武隈の鮭めし(1000円)」を購入。鮭とイク

ラが見た目よりもありなかなかです。



新宿からムーンライトえちごで再び新潟を目指します。ムーンライトえちごは以前乗車時は165系急行型電車でしたが

'03.4より485系に変更になりました。以前に比べシートピッチが狭く、若干リクライニング角も浅くなったようです。

グリーン車が連結されているため、18きっぷに関しては最繁盛期では座席数が減り指定が取りにくくなったと言えます。

車両は確かに以前より新しくはなりましたが、自分としては前の方が・・・



さすがに前日貫徹だったのであっさり寝る・・・。夜行列車であっさり寝るにはこれが一番です・・・(爆)

2日目(11/19)

今日は米坂線がターゲットです。新潟到着は4:52と早朝ですから、乗継まで時間をつぶせる場所を探します。駅前の

ロイヤルホスト(普通はまず入らないんだけど・・・)で早い朝食にします。(というか駅前に時間をつぶせるところがほと

んど無かったというのが正しいところ・・・)

新発田で乗換え、米坂線の出発地、坂町に向います。坂町では国鉄急行色のキハ58が待っていました。この秋からの

新塗装のようです。



坂町線は米沢と日本海側の坂町間を結ぶ90.7kmの路線です。この路線も紅葉が売りのようで、地元利用に加え紅葉観

光客も見られました。坂町を出発するとすぐに荒川峡、赤芝峡と渓谷部を走ります。この近辺は温泉も多く荒川峡温泉郷

とも呼ばれています。



只見線と比較しても、こちらの紅葉も勝るとも劣らずの見事さで、今回、両線で紅葉が堪能できたのは幸運でした。赤芝

峡を超えると米坂線の中心、小国に到着します。



'03.8.26を以って廃止となった急行べにばなの名残。(小国駅にて)

小国からはがらりと風景が変わり、山里をたどるような車窓を見ながら進みます。米坂線は全線通して上り勾配が多く、

このあたりも勾配がかなりあるようで、エンジンをフル回転させて上っていきました。



やがて米沢盆地に入ると上り勾配も一段落し、刈取りの終わった田園風景を進みます。



今泉で山形鉄道に接続する。

終点米沢への進入は、理由は判らないのですが到着前に2回停車します。閉塞区間の関係なのかどうかは判りませんが、

一寸もどかしくもありました。米沢でこの旅最後の乗車となるつばさ108号に乗換えます。少し早い昼食ですが米沢駅名

物「牛肉弁当」を購入します。数社が競っているようで、一口に牛肉弁当と言っても種類は豊富で目移りします。今回は

一番オーソドックスなものを購入しました。



肉が結構硬くなっていたのはご愛嬌か・・・値段比では一寸物足りないかも・・・。

つばさ車内では、峠駅名物「峠の力餅」が売られていましたので土産用に購入。牛肉弁当をつつきながら最後の乗車を楽し

みました。



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