さよならJR、おはようおれんじ鉄道。
   並行在来線区間の最後と新たな出発。

04/3/12ついに九州新幹線開業区間、並行在来線の経営分離により八代、川内間のJRが廃止と

なりました。新幹線開業の陰に隠れてしまいがちなその最後と、同区間を引き継ぎ開業する「肥薩

おれんじ鉄道」の始発列車のレポートを行います。

廃止まで撮り貯めた写真、きっぷ等はこちら

最後のJR

出水21:30発八代行きは、出水、八代間最後の上り列車となります。またこの列車と肥後高田です

れ違う出水行きは、出水23:59着となり転換区間で最後の列車となります。今回、上り最終で途中

肥後二見に向かい、折り返すという行程で乗車しました。

ちなみにきっぷは今回も西出水駅発行18きっぷですので画像は省略します。



今日の駅窓口は最終下りつばめ27号が発車する22:35までの営業となっていました。最終つばめ でも乗車証を配布となっていましたから、そちらも狙いたかったのですが、今回はローカルに徹して みました。 車両は717系、運転席後ろの中途半端な空間と急行譲りの窓側肘掛が特徴の455と並ぶ九州の 電化ローカル線の柱です。 出水からの乗車は十数人程度でありましたが、接続で川内から到着する列車でそれなりににぎやか な出発となりました。 この列車の運行に華を添えたのは水俣でした。途中駅にもかかわらず、運転士への花束贈呈など 新聞、TVの取材も入り、総勢4,50人の見送りでした。出水出発で何も無かったので何もイベントは 無いと思っていたので、良い記念になりました。話では最後の切符を手に入れようと窓口はかなりの 混雑だったそうです。 初野信号所(新水俣駅)で回送のつばめと、湯浦、津奈木間の複線区間で最終の下りつばめ27号 とすれ違いました。 佐敷でかなりの下車がありましたが、その後は大きな変化はなく目的の肥後二見に到着しました。 肥後二見の駅舎は「袋」と同様コンクリブロックを持ってきたような構造です。最終日だけありどの 駅にも撮影組がおりましたが、この無人駅でも多分にもれずしっかりと撮影班(笑)がスタンバって いました。 やがて到着する最後の列車となる出水行を待ちます。 最終列車にもかかわらず、高校生が多く、あまり鉄分の多そうな方が少なく意外でした。その分最 後まで普段の姿が見ることが出来ました。この日は西鹿児島に下ったつばめがすべて引き上げて いくため、肥後田浦ですれ違いが発生し5分間停車が生じました。その間、見送りに来ていた3名の 方の蛍の光の合唱が始まり、即席の出発式となりました。 見送りの方の合唱 再び水俣でも出発式があり、大勢に見送られながら最後の出発となりました。水俣も今度の新幹線 開業は阿久根ほどではないにせよ、市街地から特急がなくなるという意味で割を食った場所であり、 出水では特に何も無かったことと比較しても、そのまま思いの現れとも言えるでしょう。 最後の記念として車補を切ってもらいました。 もう出水到着間際だったことから「最後の最後です。」と繰り返しながら切ってくれました。 おはようおれんじ鉄道。 今回の並行在来線の経営分離は、地元にとっては不利なことばかりのように言われますが、少なく とも一点、良くなったことがあります。それはダイヤに関してです。今まで川内、八代間は赤字路線 と言うこともあり、便数も少なかったのですが、それにも増して出水、水俣間を境として支社が変わる 為、相互のダイヤが全くといって良いほど連絡しておらず、乗継が大変不便でした。しかし今回1社で 運行されることは、そのミスマッチが解消され、また特急待合せがなくなった事から速達性も若干向上 しています。確かに運賃は上がりましたが定期運賃も比較的がんばったと思える範囲であり、全区間 を乗りとおすような「てつ」や今まで列車で鹿児島市内に出ていた年配の方を除けばかえって利便性 は向上したといえるでしょう。 早朝5時前ですが、駅周辺では式典の準備がすすめられており、多くの人が出入りしていました。 これでもかと言うほど柑橘(多分、紅八朔)での飾りつけです。ちなみに駅票の下のマットはAI防止用らしいが消毒液がほとんど入ってなかった・・・。 一番乗りを目指したのですが・・・間に合いませんでした。切符の番号は"0004"でした。 謎な日付の切符・・・ 切符の日付に注目!今日は3月13日のはず・・・。12日はおれんじは開業していないハズ・・・。 おれんじ鉄道は基本的にワンマン運転で、一部の有人駅でのみ切符の販売があります。窓口では発駅 補充式の金額券と入場券が販売されていますが、この時間はまだ自販機のみの稼動でした。 車内では上のような収受器が設置されています。一部のバス会社で採用されているバーコードつき整理券が発行され、運賃収受が簡素化されています。
乗降口横の電光表示器は行先がスクロール表示されます。 始発便の乗車人数は10名程度でした。メーカー担当者(新潟トランシス)も同乗していましたので総数 20名弱でした。出発式等は特に行われず静かな出発でした。 車両は潟鉄譲りの軽快気動車ですが、まだ新しいせいか静粛性もよく快調な滑り出しです。 出発時には記念乗車と思われる人も見られましたが、米ノ津、袋と一般利用者の乗車が続きました。 水俣からはまとまった乗車がありましたが、ほとんどが始発の新幹線目的での一区間のみの乗車でした。 初めての料金収受の為か、かなり手間取っていた様子。しかしこれが自分にも降りかかることになる。 八代降車時、自分はJRへの連絡乗車券を購入していたのですが、運転士が八代までの有効と勘違いし 収納しようとされる。最後には同乗していた社員(?)に指摘され何とか降車できた次第です。何か一抹の 不安を抱えた出発でした。 八代駅では直通でないおれんじ鉄道車両は以前肥薩線が使用していた0番線に入線します。この後入線 してきた肥薩線車両は1番線を使用していましたので、少しだけ肥薩線が便利になったようです。 在来線新八代駅 新八代駅は在来線駅と新幹線駅が独立しており、乗り継ぎは一度ラッチ外に出て、100mほど離れた駅に 向かう必要があります。 新八代構内は始発のつばめ30号が到着した直後と言うこともありごった返していました。が、乗り継ぎに あまり時間が無かったのでそのままホームに向いました。 NGC割引を適用させる為無理やり100km以上にしています。 微妙にデザインの変わったリレーつばめが入線してきました。この便も、日本で最短距離の特急となる熊本→新八代の運転です。 車内は・・・ガラガラでした。一ヶ月前の戦争がうそのようです。まあ、翌日から始発以外の便にはちょくちょく 空席が出ていたことを確認していましたが、ここまでとは思いませんでした。 1両に10人も乗っていなかった・・・。 ちなみに始発のつばめ30号も実は前日には空席が出ていたのを確認済み。 前回乗車時は試乗会でノンストップだったためそれなりの時間を感じましたが、今回は席で落ち着いたと思い きや、もう新水俣の案内が流れ始めました。 これでは弁当を食べるひまもありません。再びトンネルを抜けたときはもう出水に入っていました。 出水駅ではマスコットキャラの鶴之進が記念品を配っていました。 記念品はまつぼっくりと紅甘夏・・・ 聞こえてきた立ち話によると、この便も、指定券自体はかなりの発売があったようですが、曰く 「マニアのお客様が買われて、使用しないで記念にとっている」とのこと しかし、自由席の埋まり具合を見るに、乗る気のあった人自体少なかったのではないかと思われます。 出水帰着時もまだ物産館の開館式の準備が行われていましたので、祭りはまだまだの状態でした。 西出水駅でその後のおれんじ鉄道様子を撮影してみました。 鉄道関係に戻る mainに戻る