さらば鹿児島本線単線区間。乗り収め日誌。
6倍という倍率を聞き、半ばあきらめていた九州新幹線の試乗会ですが、偶然にも当たってしまいました。開業日
の始発列車「つばめ30号」の争奪戦に敗北していた私には、これは普通のレポートをしたのでは罰が当たると
勝手に思い、その九州新幹線の犠牲となり第三セクターへ移管される同区間の乗り収めをかねたレポートを行
います。
今回の試乗会は西鹿児島から熊本までの片道(逆方向もあり)ですので、必ず片道は自腹を切って列車に乗っ
ていかなければならないという、JRの策略めいたものを感じますがまあ安いものでしょう。
全員が最低(大人)でも3000円(試乗会割引きっぷで熊本、鹿児島片道)かかるわけで、この試乗会の当選者は2万名ですから、子供を考えても少なくとも5000万以上の収入にはなっていたはず・・・。
案内には10:30受付開始とありますので、それに間に合う列車を探しますと、出水08:48発の「なは」があります。
熊本以南は立席乗車が可能ですが、JR西との分配の関係があるためJR九州の割引であるNGCはつかえません。
しかし、もう機会は2度とないのですから、久々に無割引運賃で乗ることに決めました。
左上;出水駅入線 右上;4,5号車乗車口 左下;6号車(レガートシート)ロゴ 右下;7号車(デュエット)ロゴ
この日は最後の日曜と言うこともあり、下段は満席でした。とはいっても寝台は3人掛けまで対応していますから、
座るところはいくらでもあります。自分も場所を分けて頂き着席しました。世の中から寝台列車が無くなるわけでは
ありませんが、だんだんと夜行列車の陰が薄くなっていくのは寂しいものです。
下り「なは」は「つばめ1号」より早く西鹿児島に着くため、始発下り特急列車という面。逆に指定席が連結されて
いる為、上りについても「つばめ」の代用として重宝されるという面があり、比較的末端部での短区間乗車が多い
という列車でした。今回の改定で熊本発着となる為、下りについての役目は終わりますが、上りについては今後も
需要が予測されます。
客車のゴトゴトという独特の振動に揺られながら、牛ノ浜、薩摩高城間に到着したときでした。ここは有名な撮影ポ
イントではあるのですが、窓の外に数十台のカメラがこちらに砲口を向けているという様子に出くわしました。予想
は出来ていたことですが、車内から見るとそれはそれは異様な光景でした。
若干遅れが出たものの、無事西鹿児島に到着しました。
西鹿児島の案内表示もこれで最後
ひさびさに来た西鹿児島は、新幹線改札も出来、大幅に様相が変わっておりました。確かに以前から妙な空間が
あるとは感じていたのですが・・・。
受付の左では日南線40周年記念乗車券を販売していました・・・なぜ!?
撮影時間もゆっくり取られており、またその回の当選者しか入れないようにしていたので混雑もなくゆっくり見物が
出来ました。おかげで、どうでもいいところまで撮影が出来ました。
つばめ入線
電話室は密閉されておらず、暖簾で区切られています。
洗面所・・・縄のれんが特徴だが耐久性はどうなのだろう?
座席は787系の3号車(ビュッフェ改造車)の座席に近い座りごこちでした。肘掛が両側に設置されており、すわりの
悪さは感じず、私にとっては座りやすい広さでした。
鹿児島中央を発車するとすぐに35パーミルという急勾配を駆け上ります。全動力車ということもありほぼストレスも
感じずスムーズに加速していきます。動力車にしては音も比較的静かでしたし、機密性もいいのかあまり気圧差も
感じませんでした。また、立てたタバコが倒れないと言う揺れの少なさは折り紙つきです。
川内車両基地 (車内より)
しかし全体の7割がトンネルと言うだけあって、ほとんど景色は望めません。出たと思ったらすぐトンネル。開ける
のは川内市内、出水市内、そして八代市内だけです。見るべき景色は出水市針原で見れる数秒間の東シナ海位
でしょうか・・・。
基本的にほとんど曲線を感じません。唯一感じるのは紫尾山を越えた後、出水市内にアプローチするところ位で
すが、出水に駅を作る為に無理やり曲げたと言う感じもしなくもありません。
記念品もどっさりと頂きました。
左;乗車証明書、中;ピンズ、右;乗車時のワッペン
記念品引換券、紅白求皮、畳表の敷物
八代までは距離が短くなったこともあり、速度以上に速さを感じました。
新八代は対面、島式の3面です。将来の全線開通とフリーゲージトレインを見越した設計をしています。
ここで一気に車両グレードが下がり415系で熊本に向います。
熊本からは、今回の改定で新幹線開業の陰に隠れて、ひっそりと廃止となる急行くまがわに乗車しました。一応
特急格上げと言うことですが運転区間も停車駅も変わらないのに、料金は値上げとなるのは何か解せません。
さらに、九州横断特急(他に名前無かったのか?)と共にJR初のワンマン特急となるわけです。たしかに、特急
停車駅は基本的に有人駅ですし、車両も2両ですから運用上は問題ないのかもしれませんが・・・。
熊本駅電光掲示
1号車(キハ58)
2号車(キハ65)、記念ヘッドマーク
このくまがわ11号は、今は亡き急行えびのを彷彿とさせるキハ58+65の編成での運行です。
全国的に次々と急行が廃止されています。その一方、特急である意義が感じられない特急が増えています。
特別急行を謳う以上、何が特別なのかはっきりさせる必要があり、それが出来ない特急は急行に格下げ
すべきと感じるのですがどうでしょうか?
佐敷で上りなはにすれ違いました。
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