天草・熊本・別府、九州横断バスの旅
今回のメインはいつか乗らなければと思ううちに、運行会社が変わり、区間短縮されてしまっていた、熊本・別府を結ぶ九州横断バスです。あと熊本ついでにオマケに「A列車で行こう」を乗ってみます。なお「A列車で行こう」(以下「A列車」は事情により2年越し取材ですので、たまに2年前の写真が入るかもしれません。(時期が一緒なので言わなきゃ分からない?)

1日目 いきなりのトラブル
宮崎。熊本間は通常はなんぷう号で直行するのですが、某発券窓口のミスにより、予約していた便をキャンセルされ、しかもその便は満席という、ベタなギャグ漫画でもやらない展開で、仕方なく、福岡行きフェニックスから鹿児島・熊本「りんどう号」を人吉で乗り継ぐというルートです。(しかもSunQパスだから宮○の被害は無し。ルート提示はこちらから・・・。なんていい客だ)
まあ、そのおかげで、普段休憩場所にならない(宮崎長崎線は使用)山江PAで栗まんじゅうを購入。(いきなり団子はまだ出来ていなかった・・・残念)これは栗の甘みもしっかりしておりなかなか美味。ただ、りんどう号(いわさき)は4列シートは仕方ないにしても、シート表面が滑りやすく座りにくい。(ヒュンダイ・ユニバース)ただ、乗車時に席割を見てみると3列シートのような運用をしている感じが・・・(不確定)
熊本交通センターに定刻3分遅れで到着。次回来るときはここも大きく変わっているのでしょう。

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熊本駅は在来線部分も高架が進み、A列車の発着する6番線も高架ホームになっていました。この日は3,4号が運転されない日のせいか、ほぼ満員です。発車前からバーカウンターは長蛇の列。前回三角からの2号(天草に宿泊した場合、観光せずにホテルから直行しないと乗れない便)に乗車した際はほぼ同じ時期にもかかわらず乗客5名でほぼ貸し切り状態でしたので、便によって乗車率にかなりの差があるようです。観光特急としては運行距離が非常に短く、しかも売りである有明海沿いの景色が見られるのは後半(三角側)の10分程度ですので、ちょっと海を眺めながら一杯というのは実は結構ハードルが高いのです。実際、乗客のほとんどが本渡行きのシークルーズに乗り換えます。JR九州のWebを見てもこの2つをセットで売り込んでいますので、単体では少し物足りないかもしれません。
基本が大人向けの列車ですが、子供も楽しめるよう車内に隠されたイルカを見つけるゲームなど、子供も飽きさせない工夫がされていました。
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三角駅から三角港は目の前、徒歩五分です。あまくさ三角ラインの高速船は、船内に入られる方が多いのですが、日焼け、潮を気にしないのであれば、松島(前島)までは最後尾右手がおすすめ(天草行きの場合)。この船はかなりの速度が出ますので、吹き上がる潮しぶきと海風は最高です。また進行右手は天草五橋を望む形になります。そこから先は左手の方でもいいかも。第2橋をくぐると まもなく前島です。
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到着すると右手には天草パールセンターなど土産物店もありますし、桟橋すぐにはカフェもありますので休憩もできます。以前この付近はマリーナでしたが、かなり雰囲気が変わっていました。
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海中水族館シードーナッツにはなぜか川西のPS-1が展示されています。(有料エリア内のため水族館入場料が必要です)
今回のコースは徒歩で第5橋を渡ることになります。天草五橋を徒歩で渡ることはあまりない気がしますが、たいした距離でもありませんし時間も充分あります。橋を渡りきった左手の丘に展望台があり、島々を見渡すことができます。ここまで徒歩15〜20分程度です。(ただこの丘、結構な急坂なので徒歩だときついです。)
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途中にはスロープカー付きの旅館も
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展望所からの光景
この後は前島バス停まで戻るか、本渡側の遊覧船のりば前まで行くかは好みですが、遊覧船のりば前は超快速便はとまりません。なおここで注意ですが、遊覧船のりば前バス停付近はコンビニもさらに自販機もありません。飲食店はあるのに飲料を買えない生殺し状態ですのでこの展望台の売店などで購入をおすすめします。
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快速あまくさ号で熊本交通センターまで戻ります。天草五橋を順々に渡っていきます。松島橋、前島橋、中の橋、大矢野橋と五号橋から二号橋までは連続して渡ります。二号橋と三号橋の間は地図上では橋のようにも見えますが、陸続きになっており、個人的にはこのあたりの景色が一番好みです。一号橋までは少し離れており、海沿いからは世界遺産登録された三角西港を望み、有明海を堪能できる路線です。



2日目
かつては国観バス(九州国際観光バス。けっして国東観光バスではない)が別府からなんと長崎まで(一般道+三角・島原航路経由)で約10時間かけて運行していた路線です。現在は別府・熊本の九州横断バス、熊本・長崎の雲仙・長崎オーシャン観光バスに分割され九州産交が運行しています。現在の運行形態では路線バスのようですが、元々は阿蘇、雲仙観光を含でおり、現在も定期観光バスの扱いとなっています。通常定期観光バスではSunQパスは使用不可ですが、九州横断バスに関しては例外的に使用が可能となっております。4往復のうち別府までの便は1便のみです。始発は熊本駅前ですので交通センター到着時には既に乗客がありました。このバスは予約定員制(座席指定無し)ですので座席は早い者勝ち。

これだけの長距離ですが高速道は全く使いません。56号線を大津方面に進み空港で乗客を拾います。この時点で20人以上の乗客数になりました。この日は平日水曜、最近はアジア方面からの観光客が多く、以前よりも乗車率がよいという話は聞いていましたが、なかなかの乗車率です。

大津駅では空港連絡バスのくまモンと遭遇。
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立野に向け外輪山を登ります。
ファームビレッジを経由しましたがここでも乗降は無し。この路線の面白いところは、草千里、阿蘇山ロープウェイ方面に向かうため、湯の谷リゾートホテルから先の区間を往復し、その後阿蘇駅に向かう形になります。この区間がおそらくこの路線一番のビューポイントになります。しかし阿蘇中岳はこの日も凄い噴気です。

クリックで米塚付近の案内放送

阿蘇中岳の噴気。

阿蘇中岳はこの状況ですが草千里はまずまずの人入りです。
阿蘇駅で10分休憩。阿蘇駅の隣は、道の駅阿蘇があり徒歩1分ほどでいけます。時間帯にも寄りますが弁当なども調達できます。ただし・・・客数が多いのでレジがやたらに混みます。迷わず目に付いたものを買いましょう。迷うと個々の品数の多さはどつぼにはまります。

阿蘇駅からは阿蘇外輪山を再び上り、大観望を経由し黒川温泉へ。残念ながら大観望での休憩はありません。黒川温泉の待合所は茅葺きの立派なもの。ここまでの乗車が一番多く10名ほどが下車されました。こんな山間の温泉が一大観光地になるなど20年前は誰が予想したでしょう。


次の瀬の本(三愛レストハウス)では10分休憩。個々で由布院駅前からの8号とすれ違います。昔から変わっていない姿でちょっと安心。でも平日しかも夕方と言うこともあり客数はかなり少なめ。

牧ノ戸峠に登る途中で一時期無くなったといわれていた「夢のやまなみハイウェー」の放送がまさかの復活。もしかしたら「坊がつる賛歌」も流れるかと思いましたがそれはありませんでした。

クリックで再生。(案内付き) MP3形式全7分32秒 (2分32秒付近より)
写真を整理している段階で気付いたのですが、九重登山口に長者原ヘルスセンターとか名前付いてたっけ?夏登山シーズン真っ盛りなんだからもう少し客いても良いような・・・。 飯田高原で1名下車。
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小田の池で最後の10分休憩です。この日は売店は定休日でしたのでトイレ休憩のみになります。ちなみにこの便は停車しませんが、この手前には「熊の墓」なる珍名バス停がありますので気になる方は見つけてみてください。
水分峠レストハウスもいつの間にか廃墟に・・・。かつて大分に高速道路が日田までしかなかった時代には、福岡方面からは水分峠を必ず通らなければならず、この3差路の渋滞は延々続いたものでした。

由布院駅前BCでの乗降は無し。湯布院の町中って結構道幅狭いんですが大型も通れるものですね。市街地を再び抜け由布岳・城島高原・鶴見岳を経由し別府市街へ。乗継ぎの関係から別府市街地に入った鉄輪で下車。

左;由布登山口。大分の小学生はかなりの確率で登らされます。

別府駐屯地前にあるラブホ。うんここまであからさまだと自衛隊さんの利用はなさそうだな。

熊本・空港〜黒川温泉の区間乗車が一番多かったのですが、まさか別府までの乗り通しがこんなにあるとは・・・しかしほぼ6時間途中休憩があるといえども連続常務お疲れ様でした。


A列車+シークルーズ+あまくさ号での熊本からの周遊ルートは、天草五橋のおいしいところだけ回るルートとしては十分に有りだと思われます。若干物産で物足りなければ、あまくさ号を上天草のさんぱーるで下車すれば、買い物も可能です。(天草パールセンターでも可能ですが、生鮮系はあまりありません)時間的にも半日程度ですので熊本で時間の空いた際にはおすすめできそうです。一方九州横断バスはこれはもう、途中黒川や、久住方面への目的があればよいのですが、熊本・大分間のやまびこ号が3時間45分で繋いでいることを考えると、別府まで乗り換え無しということを考えても実用ルートには厳しいです。横断バスは途中下車ができるため路線バスではあるのですが、かつてのように何往復もあった時代はともかく、現在は途中下車してしまうと、当日中に到着することは難しくなります。組み込む際は途中1泊するか他交通機関を併用する方が良いかと思われます。ただこれだけの景色を路線バスの車窓から見られるのはなかなかありませんよ。


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