さらば富士はやぶさ、碧い流星よ永遠なれ。
今回廃止となる富士に惜別乗車をしてきました。仕事の都合上2月は難しく、3月になるとおそらく競争率が倍増するのではないかという予想の元、出発日は2/27に決定です。決行は1/27。とうとう自営業者になった強みで久々に平日10時打ちに挑戦です。
マツケンそっくりの駅員さんが対応。
「10時打ちをお願いしたいんですが」
「列車は?」
「富士かはやぶさを」用意していた紙を出す。
「小さい駅だと難しいんだよね。同じように見えるけど博多の予約センターの方が速いのよ。」
いくら機械の差があるとはいっても、所詮は人の手。別回線を使用するM2端末を別にすれば、中継サーバーの運次第でもありますし、それ以前にここから半径10km以内にMARSのある駅はありません。 手早くプリセットに打ち込み、富士、はやぶさともセット完了。おそらくはやぶさは無駄になるでしょうが・・・。
「待つの?それとも後でくる?」
「待ちます。時間の読み上げくらいはやります。」

富士の画面を呼び出し待機。
「結構やってるんだけど全然とれないのよ」
「そんなにきてるんですか?」まさか県庁所在地でもないところで、それだけ事前予約があること自体が驚き。
予約をちらっと見せてくれる。
そんなこんなしているうちに、気づけば画面には「1ヶ月前発売直前(?だったか)」の文字。

カウントダウン開始10秒
2
1
0発信
お約束の10時フリーズ。しかもいつもより長い。
「あ、出たわ。」
間をおいて印発機の作動音
もう一度残席を見てもらうと予想通り「0」

「乗車券は?」
「あ・・・また考えてきます。」
とれたときに考えようと思ってたので、この段階では何の計画も立ててません(笑)それでも帰りの航空券をバーゲン運賃で買ってるあたり、自殺行為です。
経路
さんざん考えたあげく、行きの経路が決まったのが3日前、行程の最終決定は出発前日です。今回も土日きっぷを併用するので行程の自由度はあるのでさんざん悩んだ結果、実に無駄のない「乗ってるだけ」の行程が完成しました。今回は夜行2連泊ですので途中銭湯の確保と、遅れ発生時の変更パターンを3パターンほど組んであります。このパターンはいずれ使うことになるでしょう。 当初は東京までの乗り通しを考えていたのですが、消えゆく寝台特急に敬意を表して逆に富士があるからこそ行けるルートにしようと考え直し、富士を富士で下車し身延線で上っていくルートとし、身延・大糸・越後・弥彦・吾妻・ガーラ湯沢支線を行程に組入れました。吾妻線はほとんどが終点一つ前の万座・鹿沢口で折返してしまうため、使える便が朝・昼・夕方しかなく今回の行程ではここにあわせざる得なかった路線です。 58系の引退する米坂線の再乗も考えたのですが、こちらは予備ルートとしています。結局予備ルートは使わずにすみましたので、実乗ルートで載せておきます。 問題はガーラ湯沢・越後湯沢間の徒歩連絡が37分で大丈夫か。線路の距離でみれば1.8kmですし、地図上でも道もそう遠回りしてはいないようですが、なにぶん行ったこと無いところなので・・・。

駅名 到着時刻出発時刻
宮崎空港 1155 にちりん14
大分 1510 1647 富士
富士 0800 0824
富士宮 0841 0910
甲府 1123 1128 スーパーあずさ11
上諏訪 1208 1214
岡谷 1224 1229
辰野 1240 1302
塩尻 1323 1336 あずさ13
松本 1346 1408
信濃大町 1500 1504
南小谷 1601 1614
糸魚川 1711 1713
直江津 1750 1909
柏崎 1951 2020
吉田 2130 2206
新潟 2254 2300
村上 0014 0021 あけぼの
高崎 0513 0614
大前 0802 0828
高崎 1014 1102
燕三条 1208 1215
弥彦 1243 1321
東三条 1352 1357
長岡 1423 1429 MAXとき328
越後湯沢 1456 1525
ガーラ湯沢 1528 徒歩連絡
越後湯沢 1605 MAXたにがわ418
東京 1740


きっぷ
他にやりようもあったのですが、土日きっぷのエリア外になる南小谷(みなみおたり)・直江津間まで一枚につなげてしまったので、このような経由になりました。富士ソロは下段ですので進行方向逆向きですが、下段は乗ったこと無かったのでちょうどよかったと前向きに考えましょう。土日きっぷは前日まで購入が必要ですので、通販で購入です(2社ほど確認できました)。「あけぼのゴロンと」は近距離利用には3日前まで発券ブロックがかかっているという噂があり心配しましたが、無事発券できました。

乗車券S.jpg
1日目
今回は初めから徒歩連絡を入れてあるのと、夜行2泊ですので荷物は最低限に絞ってあります。一眼レフ用のの望遠レンズはもちろんカット、防寒着まで最低レベルという貧弱装備です。カメラに関しては今回新兵器を導入。光学18倍のコンデジを中古で購入。試し撮りしましたがフォーカスが若干甘いもののなかなかの戦力になってくれそうです。 なぜか延長コードとかが荷物に入っていますが気にしないように。
もう1便後でも間に合うのですが、単に783に乗りたかったのと、大分で食料調達をするためにちょっと早めに出発です。帰りは飛行機ですので空港発の方が都合がいいのです。始発ですから自由席でも十分座れますし、宮崎空港の民間駐車場は1日200円〜あるので駅に止める・バスで駅まで行くより安いというのも一つの理由です。
「お帰りは?」
「明後日のSNAの最終です」
と伝えますが、空港からわざわざJRで東京まで行くとは思いもしなかったでしょう。
とりあえず闘いはまだ先ですので、寝ます。
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大分到着
久々に五車堂のカツサンドにしようかと思ったのですが、無性にフルーツサンドが食べたくなりサービスサンドに変更。450円也。勝手知ったる中央通で使えそうなものを物色。駅のキヨスクでは一部で話題になっているふじぶさバームクーヘンを購入。しかしこれが後々まで後悔の種に・・・。
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バームクーヘン。長すぎるんですよ鞄に入らず常に出っ張った状態であちこち引っかかるしおまけに目立つ。

富士入線
撮影隊は結構いますが、まだまだ平和なものです。かつてはここで宮崎からのB寝にA個・B個さらにはロビーカーと食堂車までを連結するという黄金期の光景を毎日のように見ていたのですが、隣のホームでその後に発車する17:20大神行きがなぜかラッシュ時にもかかわらず2両編成、しかも幸崎始発という大分にしては異常なすし詰め列車に乗らなければならないため、輪をかけてうらやましく見ていた記憶があります。ただ自分としてはその時の20系時代の電源車付いてた長大編成の時のイメージが強く、今の機関車含めて7両というのはあまりにも寂しく感じます。
入線を撮影後、早速乗車します。今回は個室ですので録音も心おきなくできます。録音機材はICレコーダ機能付き携帯とこれもまた貧弱なのですが録音環境がカバーをしてくれそうです。
発車前放送
撮影の為の移動する人が多く、特に補助席のある開放Bはその度によけてもらわなければならないので大変です。A個なんかは撮影の格好の的になってます。
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コンセント発見!但し腕力・身軽さ・身長いずれかに自信がないと刺すことはできません。ドアノブはあまり体重をかけないことをおすすめします。
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車内写真。
ソロ下段の欠点は上段が引き戸を開けると海側の丸窓がふさがれてしまいます。大体上段の方はドアを開けて階段に座って外を見ていますから、結局ドアを開けっぱなしにすることになります。正直ドアストッパーがほしいです。まあ皆さん準備万端な様で、隣の上段の方は足下灯を覆うためのガムテ持参。
大分発車後放送
駅が近づくとぞろぞろと個室から出てくるのは結構異様な雰囲気・・・。これが引きこもり部屋といわれる所以か。
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八坂川橋梁を上から
別府発車後放送(時刻案内)
中津でソニックを先に送ります。結局中津の停車が一番まったりと撮影できた気がします。
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門司到着。はやぶさが先着していますので、「出迎え」はさぞかし多いことでしょう。機関車付け替えに一応参戦してみます。付け替えは確かに元々見物が多かったですが・・・異常だこれ。
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切り離し 連結 動画:非常に重いので注意

しまった動画が「録音しない」モードになってた・・・。駅員もレチ氏も半ギレ状態でしたから、音声無くてよかったかも。フラッシュ炊くは乗り出すは、フラッシュ炊くか三脚無いととれないのはわかるんだが・・・何考えてんだか・・・三脚なしでホールドする根性見せろや。結局つけ替え作業が長引き少し遅れて発車。
この区間で電源切り替えでの消灯が無いというのもちょっと違和感の感じます。
下関でも再び付け替えがありますが、先ほどのでなんか疲れてしまったので、弁当確保。ふく寿司は以前購入済みなので、ちらし寿司「巌流」。ふく寿司の河豚抜きといった感じです。駅弁としては安い部類なのでこだわりのない方はこちらでも・・・。(正面ケースには入っていないので注意)
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ほぼ弁当も完売のようです。ほかにはふくうどんを容器代払って持ち込みの方が結構多かったようです。
車内をまたぐるりと回ってみましたが、4号車は全席空き団体枠か?(新山口過ぎても乗ってこない・・・と思ったら広島か岡山あたりで乗ってきたようです。途中駅からの乗客は車両を寄せてあるんですね)4号車の1,2上段は最後まで乗車がなかったので調整席かな。 全体の印象としては富士は一般の名残り乗車の方が「比較的」多くみられました。はやぶさの方はオタ集団化していたのはちょっと・・・。(後で問題となる方向幕事件もはやぶさの車両がやられる率が高かったようですし) まあそれぞれ盛り上がっていたようです。個室にはその楽しみはありませんがその分まったりさせていただきます。 これで「工」印の浴衣もさらに縁遠くなってしまいます。このやたらに薄い浴衣、正直実用品とは思えないです。まあ暑すぎるソロ、空調調整のきかないシンデラはある意味有名なので、薄い毛布と相まって寝台列車においてはちょうどいい代物なのかもしれません。
おやすみ放送を聞いて、室内も消灯します。闇の中に浮かぶ明かりを眺めながら、ドップラーの効いた踏切警音器を音を聞く。あと何回この時間を過ごすことができるだろうか。至福の時を過ごします。

おやすみ放送

しかしさっきから壁にマジックテープで固定してある肘掛けがどうゆうわけか、よく落ちてきて困ったものです。がっちゃがっちゃと激しく音を立てるのでものすごい迷惑です。上の方ごめんなさい、このやたらに止まりの悪いマジックテープが問題なのです。
一度神戸付近で目が覚めました。ネットで確認してみると下りは1時間ほど遅れているようです。こうゆう時は実況組がいると助かります。外を見るとご苦労なことに通過駅に撮影組がちらほら確認できます。尼崎通過し北方貨物線にはいります。ここ最近の上りは北方貨物線を経由するようで運転士交代も尼崎ではなく吹田信号所でした。京都付近まで起きていましたが再び眠りにつきます。
再び目を覚ますと時間は6時すでに名古屋は過ぎています。そろそろおはよう放送のあるころです。

おはよう放送

定刻通りの運転のようです。これで予備行程の一つは無駄になりました。残念ながら天気はいまいちです。富士で富士山をバックに富士を撮るという計画もあったのですが(いや時間的に無理だろ・・・)
弁当販売の案内があり6号車に。5号車に届くくらいものすごい行列です。はやぶさ側も同じくらいあったでしょう。弁当・サンドイッチ・コーヒー・お茶・ビールがありました。
以前乗車したときに東海パッセンジャーズの弁当は高くて割に合わないという印象しかなかったのですが、まあ許せる範囲のものでした。それでも1100円はちょっと高すぎ。便乗商売だけはうまいんだから・・・。(掛け紙が100円という噂の弁当)しかしこの手の弁当結局何種類出たのやら・・・弁当でだす理由がわからない(参考に大分駅版の2種類も載せときます)
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富士はやぶさ乗車記念弁当。(JR東海パッセンジャーズ版)乗車記念カードもくれました。
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大分駅版富士弁当その1

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大分駅版富士弁当その2

やはり売れ残ったようでそのあと結局ワゴン売りしてました。完売した日もあるからって乗せすぎだよ・・・。
まもなく富士です。ちょっと名残惜しいですが先頭車両から下車します。明るくなってから12両編成を改めてみると、最盛期を彷彿とさせます。
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左:下関機関区の寝台牽引機のみ付く星マーク。   右:なぜ「いなば」・・・結局最終日まで繰り返されたようで・・・

発車する富士はやぶさを最敬礼で見送ります。
身延線に乗り換えます。このあとの直通を待ってもいいのですが、先行する西富士宮行きで富士宮まで行ってみます。沿線は工場地帯が中心のようで、写真のように第二東名高速の工事が進んでいます。しかしこの辺りえらく駅間距離が短いような気がします。
富士宮で下車。駅近辺は商業ビル等もあるのですがこの時間は何処も空いておらずコンビニも見つかりませんでした。駅裏にはジャスコがありますが、もちろん営業時間外。あわよくば富士宮焼きそばでも買ってみようかと思ったのですが、事前に調べてみたところ、朝営業しているのは駅から離れたところにある2件だけでした。昼ならば駅にテナントで入っています。まあベンチで座って待っていてもしょうがないので駅近辺を歩いてみました。年期の入った異常に長いホームが存在感ありすぎです。このホームは団体専用扱いになっており、普段は留置線に使われているようです。
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0910甲府行きに乗車。西富士宮を出ると半ループですぐに高度を稼ぎます。ワンマン運転ですが西富士宮から車掌が乗務。期待していた富士山は全く見えず。それでもゆったりと流れる富士川沿いのんびり走るこの雰囲気は悪くありません。見た目はゆったりですが、平行する道路を見ても随所でロックシェッドがあり、険しい場所であることには間違いないようです。
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この路線は身延を中心にちょうど都市近郊路同士がくっついたような状況であり、意外にも富士から上ってくる人、また身延付近から甲府側に出る人がかなりあり、切れ目無く途中駅でぼちぼちと拾いながら、立席もそれなりに出るほどの乗車率になりました。行き違いの列車も同様のようです。身延まではほとんど何もしなかった車掌が急に活発に動き始めました。なるほど甲府で着駅精算されるとJR東日本に手数料が入ってしまうからその防止か・・・と裏読み。
甲府城が見えるとまもなく甲府です。
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甲府から上諏訪まではスーパーあずさ11号で移動。九州の特急とは全然雰囲気が違いますね。個人的には新幹線に近い印象を感じます。ここから土日きっぷエリアに入ります。小淵沢通過時にあわよくば新型車がみれないかと期待しましたが、残念ながらいたのはキハ110。
上諏訪で下車。スーパーではないあずさは分岐点となる岡谷に停車するのですが、この列車は止まりません。乗り継いで辰野経由で松本に向かいます。みどり湖経由が未乗になってしまいますが、そっちはまた乗ることがあるでしょう。
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上諏訪ではちょうどイベント(第3回スワいち)が行われており、ホームで記念弁当の販売が行われていました。あとで見ると12:00発売開始の限定200個ですでに2,3番ホームの方はほぼ売り切れ状態でしたので、なかなかの人気だったようです。650円にしてはなかなか高得点な弁当です。臨時列車も運行されており485系パノラマ列車NO.DO.KAが充当されていました。(写真は塩尻)
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EPSON本社を見ながら列車は進み岡谷から豊橋行きに乗車。そいえばこの便には前乗ったよな。辰野でそれぞれ乗り換えです。辰野は東海との境界駅ですから運転士の交代もここで行われます。少し時間がありますので駅前をぶらついてみます。雰囲気のある町並みです。蛍の名所らしくそれにちなんだ土産なども見られました。
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塩尻行きに乗車。ミニエコーってたばこ(エコー+ミニスター?)か?というつっこみは無しにして、クモハ123-1はクモハ123のなかでも特異な構造の車両。松本への入出庫以外はひたすら辰野−塩尻間を往復します。この区間は途中駅も2つだけなので運賃表も独特な表記です。
小野を超えると半ループで一気に高度を下げていきます。かなりスピードが乗っておりかなり振動は激し。
塩尻は中央東線・中央西線・篠ノ井線の分岐駅です。デルタ線構造の北の頂点に存在します。貨物駅も併設されているため、非常に複雑な配線になっています。たった4駅ですが、乗り換えの都合上あずさ13号で松本まで移動。
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松本からは大糸線に入ります。立食いの「葉わさびそば」に惹かれ試してみる。うむ私好みの味だ。大糸線は松本電鉄の列車の発着する7番線のすぐ隣の6番線から発車します。
到着列車の遅れから3分ほど遅れて発車。それにしても客多!18きっぷ期間じゃなくてよかった・・・。結局座れずじまい。やけっぱちにいろいろ撮ってみる。山も雪少なめ。期待はずれか?
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ある意味有名な木崎湖が見えると、そのほとりにはまたある意味有名な海ノ口駅。
この時期はスキー客がかなりいるようです。沿線にはスキー場が点在しており、場所によってはゲレンデが線路ぎりぎりまで広がっている場所もあり、列車本数が少ないとはいえ結構怖いかも。
景色だけ見ればここを1日1往復とはいえ(臨時でもう一本走ることはある)あずさが走るのは違和感あり。日豊線沿いに住んでる人間が言うなというつっこみは無しで。
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南小谷(みなみおたり)でキハ52に乗り換え。ここから糸魚川までは3両のキハ52で運行されており、今回の目的の2番目でもあります。またしても人大杉。意外にこの路線営業係数いいんじゃないか?(超えてたと記憶しているのですが)車両は半自動ドアのセミクロスシート仕様。ワンマン改造されているため運転席後ろは何もない空間ができています。ここに陣取ることにします。 南小谷からは線形も悪化し鉄橋とトンネルを何度も渡りながら、非常にゆっくりと下っていきます。曲線を描く鉄橋も多く、この路線の建設は難工事だったことが推察されます。評定速度では多分35km/hですが、平岩−小滝間などは27.2km/hまで悪化します。その分車窓は存分に楽しめますが、すでに分水嶺も超えているためか雪もほとんど無く、この時期の緑のない山肌と、赤茶色の鉄橋、ロックシェッドの連続する光景は虚無感さえ感じさせます。
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根知で平岩行きと交換。首都圏色です。
糸魚川に到着。若干送れたのか接続がぎりぎりでした。煉瓦造りの車庫もあり、もう少し見ておきたかったのですが、乗り遅れたら元も子もありません。乗り継ぎ列車の車掌に合図を送って待ってもらい走る。
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直江津までのこの区間は海岸線の景色も良く、ちょうど日本海に沈む夕日を見ながら進みます。
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トンネル内の駅として有名な筒石もあります
直江津までもう一駅の谷浜駅出発が遅れています。何が起きたかわかりません。ようやく動き出したと思いきや、線路脇で火災発生しています。硝子越しの車内まで熱が伝わるほどでした。(住民の方が無事であったことをお祈りしております)
直江津到着。夜行2連泊になるので風呂に入ります。あらかじめ新潟県浴場組合のHPで調べておいた銭湯に向かいます。徒歩5分との情報もありましたがムリ。地図を信じて進めば迷うことはないのですが10分弱はかかります。かなり気温が下がっており湯冷めしそうな距離です。
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かなり風格のある銭湯ですが残念ながら3月末で廃業されるとのことでした。
先代(4代目93歳!?)のお話では創業は明治代で、補修を重ねてきたものの、屋台骨自体がゆがみ、腐食も多く補修が追いつかなくなってしまったとのこと。確かに外には建物を支えるように立つ突っ張り棒のような柱もあり、限界を感じます。中には昔の映画の看板のような巨大な忠臣蔵の絵が飾られています。湯はかなり熱めで深い浴槽です。その後閉店は新聞にも報じられていました。
ここまで順調に行程を消化していますので、窓口で明日の新幹線の空席をたたいてもらいます。・・・スキーシーズンを甘く見てました。候補の3本すべて満席。まあ1席くらい空くでしょう。通常みどりの券売機で土日きっぷの指定はとれるのですが、磁気データの異常なのか全く受け付けてくれず。毎回窓口に行かないといけないのは面倒でした。
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直江津にしかないらしい(店主談)の和風中華。要は中華麺をうどんの出汁に浮かべたものです。
柏崎で乗り継ぎ越後線に。外は真っ暗で何も見えませんがこんなものは撮影したりします。
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あなた追って出雲崎(結構、ウケました)
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吉田で新潟行きを待ちます今日最後の長時間停車です。駅前を歩いてみましたが空いているのは塾と飲み屋が一軒ずつ。飲み屋で何か食えそうでしたが、時間が微妙なのでパスします。
微妙に消化試合のようになってきましたが、新潟で乗り継ぎ村上まであけぼのを迎えに行きます。村上方面終電になるこの列車は、土曜にもかかわらずかなりの混雑でした。
実は動いてる583系見るの初めてなんです。
村上で今夜の宿になるあけぼのに乗車します。乗車後すぐに検札があります。指定券が酒田からになっていたので、ちょっと引っかかりましたが「ごめんなさい間に合いませんでした」でごまかしてしまいました。高崎着が早朝なので一応声をかけてもらえるようお願いします。
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ゴロンとシートは開放B寝台そのものですが、毛布も含めすべての備品が省かれています。といっても暖房が強烈に効いているので、枕か毛布かどちらでも使えるように持ってきていたフリースの膝掛け入りクッションは枕として使用します。寝るには十分ですが、何か持っておいた方が快適に過ごせます。空席は2席のみでしたが1席は多分調整席でしょうからかなりの埋まり具合。専用の割引切符もあるので稼働率はかなりよいのでしょう。
あけぼの高崎発車 動画:非常に重いので注意
高崎から吾妻線に乗り換えますが、時間があるので朝食にします。といってもこんな時間ですから松屋くらいしか開いてません。
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なんとか越後湯沢からの新幹線の指定も確保したので、安心して大前に向かいます。
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さすがに早朝なので乗客も少ないのですがロングシートはつらいわ。吾妻線は八ッ場ダムの工事により付け替え工事が進行しており、来年にはダム本体が完成し、吾妻峡沿いを走る吾妻線は高い位置に付け替えになるためこの景色も見納めになります。
じつは日本一がこんなところにもあったりします。日本一短い「樽沢トンネル」7.2m。一説には上に立っている松を残したかったからとも。
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途中少しずつ増えていた乗客も長者原草津口でほとんど降りてしまい、再び車内は閑散となりました。
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終点大前で下車したのは私一人だけでした。1面1線ホームと小さい待合室があるだけで、周辺にも旅館が1軒あるだけです。嬬恋村中心部に行くにもバスは長者原草津口や万座・鹿沢口からの発着になるので、現実何処へも行けません。道も狭く、折り返しの出発を待ってた間通り過ぎたのは軽トラ1台だけでした。
折返しの上りも乗客一人だけで出発。
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剥き出しの垂直の崖。侵食が進んでおり崩れそうなのですが・・・。
この便は乗客も多く長者原草津口でほぼ満席になりました。上越線に合流するころに立つスペースを探すのも大変という状態でした。
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高崎では「カレーそば」を見つけたので食してみる。否定派も多いですが別にこれもアリだと思うんだけど・・・。燕三条までMAXとき328で移動。普段、上越・東北新幹線に縁が無いと、MAXと普通のときが分かれているのも、しかも1階席、2階席で口座が分かれているのもなかなか解りづらいものがあります。
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越後湯沢通過また後で来ます。やっぱ雪少ないなー。
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燕三条から弥彦線に乗り換え。ここも電化されてるんですよね。今回気動車率低いなー。(大糸北線だけだわ)
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燕駅。
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弥彦駅到着。立派な駅舎です。ここで昼食のつもりだったのですが、めぼしいものが見つからなかったので、観光案内所でおもしろい土産がないか聞いてみます。カレー豆って何?聞き慣れないものなのでとりあえず弥彦神社前の土産物屋まで歩いてみます。って最後まで登りかよ。
要はカレー味の空豆圧へんですね。ビールのつまみに最高です。
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見つけた看板、男子のは無いのかよ・・・。
東三条で乗り継ぎ長岡で再び新幹線に乗車。越後湯沢から最終目的地のガーラ湯沢に向かいます。
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うん。場違いですね。ここはスキーをしにくる場所であって、それ以外はちょっと居場所がありません。でもこのシーズンしか走ってないから仕方ないのです。さてと歩いて帰りますか・・・。
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分岐点付近はこんな感じです。 越後湯沢までは2km。アップダウンはありますが、線路を追っかけていけばいいので迷うことはないでしょう。
20分程で越後湯沢到着。昼飯を食い損ねているので、駅構内に並んでいる屋台中からもつ煮を見つけたので、昼食代わりにします。
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観光客相手で殿様商売かと思いきや、ライバルが多いためか、400円でなかなか上出来。もつの処理もしっかりしてあるし、この量なら十分満足です。多分飲み屋で頼めばこの半分も入ってないはず。
先発するときは恐ろしいほどの人だかりです。こちらの方が20分早く着くので後行程が楽になると思ったのですが、多分自由席も立つ隙間がない。おとなしく指定を確保してある後発のたにがわに乗車します。しかし2階席というと100系ひかりのグリーン席のイメージが強いのですが、この車両、逆の局地を行ってますね。ここまで詰め込まなきゃならんのか・・・。
こっちはゆっくりでした。自由席にも余裕があるほどです。ムリしてときに乗らなくてよかった。
あけぼのの乗車時間が短かくあまり寝てないので思いっきり寝てしまいました。
東京駅ではちょうど富士の入線時刻だったため、新幹線ホームからもかなりの人だかりが確認できました。時間もないですしあの中に突入するのはやめときます。
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コンコース内ではグッズ販売が行われていました。
その後は順当に浜松町でモノレールに乗り換え羽田へ。無事に帰着しました。

さらに乗っているだけとなった今回の行程。富士も末期特有の違和感はありましたが、富士側は比較的静かでした。結局は「廃止に文句を言う前に乗れ」
直江津の吾妻湯ように歴史のある銭湯の最後に立ち会えたことも今回の旅のよき思い出です。
今回定額給付金に会わせた割引切符も出てきましたが、2人以上でないと発券されないというのはいまいち使い勝手が悪い。まあ、2人分買って半分捨てても安いのですが・・・また当分貧乏するのでおとなしくしときます。

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おまけ
3月15日に運行されたリバイバル富士の写真も載せておきます。撮影ポイントは定番の田野のバンク付近と山之口です。田野のバンクは100人以上の人だかりでポジションがかなり下の方になってしまいました。やたらにサービスのいい警笛で応えてくれました。
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以上資料写真についてはOlympus SP-560UZ 及びOlympus E-300にて撮影。条件についてはExif参照のこと